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信仰生活講座 5
本然の価値観で見て感じる

 2008年から2009年にかけて『中和新聞』(タブロイド版)で連載された「信仰生活講座」を8回シリーズでお届けします。執筆者は、多田聰夫氏(本部伝道教育部長/当時)です。
 信仰生活における課題解決にご活用ください。(一部、編集部が加筆・修正)

本然の価値観で見て感じる~後天時代にふさわしい信仰生活

神様に所有される自分を創る
 私たちは堕落することで神様の心情が分からなくなり、サタンに支配されるようになったのです。いつの間にか神様の心情を中心に考えることができなくなり、自分の思いを中心に考えるようになってしまいました。そんな私たちがどのようにして神様の願う創造本然の価値で、自分自身を、また環境を見ることができるようになれるのかを考えてみましょう。

 まず、神様に所有される自分を創ることです。

 神様の事情や心情を中心に生活すれば、神様に所有される生活ができるようになります。イエス様の三大試練を見ると、第1試練で、石をパンに変えろというサタンの誘惑に対して、イエス様は「人はパンのみに生きるにあらず」と答えました。

 空腹であるとき、普通私たちは食べ物に意識が奪われますが、イエス様はどんなときでも、物質よりも見えない真理やメシヤの価値、そして神様の心情に心を向けていました。イエス様は40日断食の後に、完全に神様に所有されたかただったわけです。自分を見つめるときに、神様が見る観点で見つめることができる人は、神様に所有される人です。

 次に、私は依頼されて講義に出かけます。そのとき、私が行く前にすでに神様が私を待っていてくださるのです。私を通して何を語ろうか、何を教えようかと、準備していらっしゃるのです。

「神様が待っている」とマインドセット
 私は、神様がどんな人に出会わせてくださるだろうかと思いながら、わくわくして会場に向かいます。私は神様に会えるという気持ちを準備して行きます。ですからどこに行くにも、楽しみにして出かけます。神様が待っていると思ってマインドセットをすることを忘れません。そうすると神様が私を所有してくださり、語るべき内容を正しく導いてくださるのです。ですから、創造本然の価値観で人や万物を見る必要があると思うのです。

 ある修練会の講師をしていたときのことでした。私が講義をしているときに、進行係が中心となって祈祷会をしていました。そのとき、二人の女性の班長が居眠りをしてしまったというのです。進行係は女性班長に対して「何でこんなときに寝てしまうのだ」という怒りがわいたそうです。

 すると、真のお父様のお写真からお父様が「あなたの後ろにいる二人の女に、先生は命を懸けたのだよ」と語りかけてきたのです。進行係は彼女らを自分の思いで価値を計ってしまいましたが、神様は彼女らをご自分の子女として見つめていたのです。常に神様の見つめる価値観で、本質を見ていけるような信仰生活を送ることができるようにしなければなりません。

神様が所有できる心を備える
 また、私が長野にある自然のとてもきれいな研修所で、修練会を行ったときのことです。スケジュールの合間に自然の中を散歩していたとき、1本の木に話しかけてみました。「木よ、おまえの家族はどこにいるのか?」と。

 すると驚くことにその木が「おまえが私の家族だ」と答えてきたのです。私はびっくりしました。私がこの木の家族なのか――。鳥肌が立ちました。

 そしてしばらく歩いて、また別の木に話しかけてみました。「木よ、おまえはどのくらい美しいのか?」と。するとまた「おまえが見ている10倍美しい」と答えました。

 人間と自然との関係はこんなにも近く深いものだったのだと思わされました。人間的に自然を見ていた自分が恥ずかしくなりました。神様の創造本然の価値観を持って自然を見つめることの大切さを強く感じたのです。

 一日一日、自分の心を大切にして神様が所有できる心を備えて過ごせば、心霊がどんどん成長し、創造本然の価値で見ることができるようになります。そうしないとどんなに苦労しても、どんなに長い間教会に所属していても、心は成長しません。後天時代にふさわしい信仰生活の一つの在り方として神様に所有され創造本然の価値観でものを見て、感じる私たちになりたいものです。

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 次回は、「授受作用とは相手に共感すること」をお届けします。


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