2023.08.20 05:00
シリーズ中級講座 20
礼典学<1>
世界家庭誌で2021年11月号から2022年12月号までの期間に掲載された「中級講座シリーズ」の内容を、「シリーズ中級講座」のタイトルで毎日朝5時にお届けすることになりました。信仰生活の向上、毎日のみ言学習にお役立てください。
伝道教育局副局長
入山 聖基
「中級講座(21日修練会レベル教育)」は、「初級講座(7日修練会レベル教育)」を受けて家庭連合に入会し、信仰生活を出発した方が、「伝道実践者」として成長していくための教育プログラムです。このプログラムを通して、知れば知るほど奥深い、統一原理や真の父母様のみ言に触れることで、“さらに知りたい!”という真理への探究心が湧いてくることでしょう。
しかし、好奇心からみ言を学び、知識が増えるだけでは、内的な成長につながりません。天の願いや摂理を知った者として、各自がその責任を自覚し、それを果たせるように生活の中で実践しなければならないのです。
実践すると、自身の内面に変化が現れるようになります。そこに喜びを感じるようになってこそ、生涯をかけて信仰を貫く、一人の信仰者として自立することができるでしょう。しかし、それは一日にして成されるものではないため、信念を持って反復訓練する必要があります。そのため、この教育段階では、学習の継続と生活での実践が強調されるのです。
ここでは、信仰生活を始めたばかりの方を対象とした「礼典学」をお届けします。長く信仰生活をしている教会員の皆様においても、新しく入会した方と地域集会で勉強するときや、自らが原点に返るために学習する際の資料としてお役立ていただければと思います。
(1)礼典学を学ぶ意義
日本仏教の聖人である最澄が、788年に比叡山延暦寺にともしたと言われる灯籠の火は、1200年間、一度も消えることなくともされ続け、「不滅の法灯」と呼ばれています。2020年、新型コロナウイルス感染症の終息を願い、24時間、この法灯がインターネット中継されたことで話題になりました。
最澄は、「明らけく 後の仏の御世(みよ)までも 光りつたへよ 法(のり)のともしび」と詠み、「仏の光であり、法華経の教えを表すこの光を、末法の世を乗り越えて弥勒如来がお出ましになるまで、消えることなくこの比叡山でお守りし、すべての世の中を照らすように」との願いを込めて、ともしたと言われます(参照「天台宗公式ホームページ」)。
弥勒如来は、末法の世を終わらせ、人々を救ってくださる方とされています。正にメシヤです。私たちの国、日本でも、人類のメシヤ(真の父母)の降臨を千年以上待望し続けた祈りがあったということです。
このように、宗教における祈りと伝統は、千年を超えて続きます。それは、日々の信仰生活が積み重なり、世代を超えて受け継がれることで成されるのです。
そして、伝統を受け継いで守るための規範が「礼典」です。礼典とは、一般的には礼儀に関する決まりのことですが、私たちにとっては、信仰生活に欠かすことのできない大切な決まりです。規範から秩序が生まれ、それが伝統として後孫に受け継がれていくのです。
天の父母様(神様)と真の父母様を知ったときから、新しい生活が始まります。その出発点は、天に侍(はべ)るための礼法を学び、実践することなのです。