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シリーズ中級講座 16
伝道学<2>

 世界家庭誌で2021年11月号から2022年12月号までの期間に掲載された「中級講座シリーズ」の内容を、「シリーズ中級講座」のタイトルで毎日朝5時にお届けすることになりました。信仰生活の向上、毎日のみ言学習にお役立てください。

伝道教育局副局長
入山 聖基

(2)伝道の目的

 では、具体的に何を伝えるのかを考えてみましょう。
 第一に、「み言」を伝えます。み言とは、神のメッセージです。それは“三大理論”と呼ばれる「統一原理」「勝共理論」「統一思想」や、“三大経典”とされる真の父母様のみ言、天一国(てんいちこく)経典『天聖経』『平和経』『真の父母経』などをいいます。み言は今もなお、真のお母様を通して新たに与えられています。

 皆さんは、人類を救済する真理として統一原理を学びました。そこには、霊的に死んだ人を生かす力があります。その最終章である「再臨論」の結論は、再臨主は誰かということです。それが、人々を救いへと導く“道”です。ですから、統一原理は“伝道の書”でもあり、その内容を伝えることが伝道の入口になるのです。

 第二に、「救い(メシヤ)」の到来を伝えます。神の復帰摂理(救援摂理)歴史の目的は、メシヤを迎えることです。重生のない救いというものはありえず、真の父母なくして重生は成されません。

 私たちは、「文鮮明(ムン・ソンミョン)・韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁ご夫妻こそ、人類の真の父母である」と知っています。これが核心的メッセージです。真理の最終結論であり、“道”のゴールです。これを知ることは、世の中の全ての知識を得ることに勝ります。反対にこれを知らなければ、これ以外の全てを知っていたとしても、何も知らないのと同じなのです。

 真の父母様は道であり、真理であり、生命です。したがって、伝道の目的は人々を真の父母様につなぐことです。私たちは証し人、仲保者、代身者にならなければなりません。

 第三に、「真の愛」を伝えます。人間は本来、神の愛によって生きる存在です。しかし、堕落した人間は神の愛を失った絶望圏、死亡圏の中にいます。「真の愛、永遠の愛なんかない」と強がりながらも、愛がなければ生きられないために、もがき苦しんでいるのです。そのような人間でも、真の愛の実体である真の父母様に出会うことで、その苦しみから解放されます。

 また、真の父母様から愛を受けて重生した私たちは、神の愛を人間の愛として表すことができます。つまり、神の愛で人を愛することで、私たちが神の愛の実体になるのです。これが、「家庭盟誓(カヂョンメンセ)」の八番に出てくる「神人愛一体理想」です。神を直接、感じることができなくても、目の前の相手から愛されることで、誰もが神の愛に触れることができます。

 真の愛には、サタンさえも屈伏します。これを、愛による自然屈伏といいます。

 このように伝道とは、み言を伝え、真の父母様の到来を伝え、真の愛を伝えることで、人を「死」から「生」へと生かす、聖業の中の聖業なのです。

(3)伝道の意義

 次に伝道の意義について考えてみましょう。

 人間は堕落することによって、どこに堕(お)ちたのでしょうか。「神の子女」の位置を失い、サタンに主管される立場に堕ちてしまいました。

 それは万物以下の位置です。それが、堕落した人間の置かれたみじめな立場なのです。万物は堕落していないので、人間は万物を信仰の対象とすることさえありました。

 人間は、貴く、輝かしい神の子女という位置を失ったことを後悔し、嘆くべきにもかかわらず、そのことに気づかずに生きています。神は、本然の人間の位置に回復させるために、復帰摂理において、どれほど心を削り、苦労してこられたのでしょうか。

 人間の成長期間が三段階であるように、堕落した人間の復帰も三段階でなされます。

 第一段階は、万物以下の位置から万物の位置まで復帰します。そのための蕩減(とうげん)条件が「象徴献祭」です。旧約時代は、人間の代わりに万物を天に捧げることで蕩減条件が立てられました。万物は善悪に裂かれて献祭されたのです。それは、今日の信仰生活における献金に当たります。

 第二段階は、万物の位置から人間の位置まで復帰します。新約時代は、自らを祭物にし、信仰と愛をもって復帰する道を行きました。これを「実体献祭」と言います。その最たるものが殉教です。今日の信仰生活においては、伝道することです。

 第三段階は、完成人間(父母)の位置まで復帰します。真の父母様が勝利された現代において初めて開かれた復帰の段階です。ここでは、祝福結婚式を経て、神を中心とした家庭をつくり、四大愛を実践します。これを「心情献祭」と言います。家庭において育まれた愛を、地域、社会、国、世界へと拡大し、人類一家族の地上天国を建設するのです。


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 人類歴史において、たどられてきた復帰の道を、私の人生においてもたどり、中心人物たちの歩みを相続しなければなりません。つまり、献金生活を通して万物を復帰し、伝道生活を通して愛を復帰し、祝福結婚を通して本然の家庭と世界を復帰するのです。

 伝道は人の救いのために行うものですが、それは同時に自分自身を成長させます。伝道対象者が、み言と真の愛を受け入れるように協助することを通して、自らもみ言の実体となり、真の愛の実績を持つようになるのです。