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シリーズ中級講座 15
伝道学<1>

 世界家庭誌で2021年11月号から2022年12月号までの期間に掲載された「中級講座シリーズ」の内容を、「シリーズ中級講座」のタイトルで毎日朝5時にお届けすることになりました。信仰生活の向上、毎日のみ言学習にお役立てください。

 「中級講座」は、「初級講座」を修了し、家庭連合に入会した新しい食口(シック)の皆さんが、生涯、信仰していくことを誓った「伝道者」として、成長していくための講座です。一人一人が、伝道される側から伝道する側へ、愛される側から愛する側へと転換されていく重要な教育期間を過ごします。そこでは、彼らが新たな知識を得るたびに、信仰の動機が深まるよう導いてあげなければなりません。

 「天国に行くために信じるのではない。天国をつくるために信じるのである」(『御旨の道』232ページ)と、み言にあるように、中級教育(21日修錬会レベル)の目的は、天国をつくる人の育成であることを心に留めておいてください。

 この「中級講座シリーズ」では、講座の内容を“読んで”学べるようにしています。諸事情により、実際の講座の順番どおりに掲載できてはいませんが、最終的には全ての講座がそろうようにしていきます。

 今回は「伝道学」をお届けします。これは、伝道について初めて知る人のための講座ですが、すでに熱心に伝道に取り組んでいる会員の皆さんにとっても、伝道の基本に立ち返る機会になると思います。

伝道教育局副局長
入山 聖基

(1)伝道の原点

 「伝道」とは何でしょうか? 文字どおり「道」を伝えることです。では、「道」とは何でしょうか?

 イエス様は、「わたしは道であり、真理であり、命である」(ヨハネ一四・6)と言われました。イエス様は、救い主・メシヤとして地上に来られた方です。人類はメシヤを迎えてこそ、救いが成されるのですから、メシヤは救いに至る道ということになります。そして、その道しるべがメシヤの語る真理のみ言です。また、救いとは、死んだ状態にある霊的生命が、新しく生かされることです。

 そのためイエス様は、「メシヤ=道=真理=生命」だとおっしゃったのです。

 イエス様は、そのような立場で地上に臨在されましたが、イスラエル選民の不信によって無念にも十字架に架けられ、肉身を失われました。しかし、そのような状況に置かれてもなお、天の前に「彼らをおゆるしください」(ルカ二三・34)と願い、人類に対する真の愛を失わず、復活されて霊的真の父母となられたのです。

 イエス様は十二弟子を再び呼び集め、昇天されるときにこのように言われました。

 「あなたがたは行って、すべての国民を弟子として、父と子と聖霊との名によって、彼らにバプテスマを施し、あなたがたに命じておいたいっさいのことを守るように教えよ。見よ、わたしは世の終りまで、いつもあなたがたと共にいるのである」(マタイ二八・1920

 イエス様は、自らの教えを全世界に広めて、伝道するよう願われました。後にこのみ言は、「大宣教命令」と呼ばれるようになります。

 キリスト教徒たちは再臨主が来られるまでの二千年間、伝道を聖使命として行ってきました。ある者は命を賭してアフリカの奥地にまで宣教に行き、キリスト教は世界中に広まっていったのです。それが再臨主を迎えるための世界的基盤となりました。

 キリスト教では、伝道することを「福音を伝える」と言います。福音とは、分かりやすく言うと“グッドニュース”です。「イエス様が復活された」「イエス様を信じれば全ての罪は赦(ゆる)され、救われる」という喜ばしい知らせを、人々に伝えるのです。


 天の摂理は、イエス様から再臨主に継承されました。そのため、“再臨のメシヤは誰なのか”ということが、真理の最終結論になります。ですから、「文鮮明(ムン・ソンミョン)・韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁ご夫妻が再臨主、メシヤであり、人類の真の父母である」という知らせこそ、この世の中で最も価値のある情報であり、福音なのです。

 私たちは、救いの道、真理、福音を、親族や地域の人々の中で誰よりも先に知りました。そして、新しい生命を授かったのです。その価値が分かれば、自らが救われて満足するだけではなく、救いの道、真理、福音を周りの人たちにも教えてあげたくなるのではないでしょうか。それが、自然な情の流れです。

 先に来た者たちには、あとの者たちを導く使命と責任があるのです。