https://www.kogensha.jp/shop/detail.php?id=4161

シリーズ中級講座 17
伝道学<3>

 世界家庭誌で2021年11月号から2022年12月号までの期間に掲載された「中級講座シリーズ」の内容を、「シリーズ中級講座」のタイトルで毎日朝5時にお届けすることになりました。信仰生活の向上、毎日のみ言学習にお役立てください。

伝道教育局副局長
入山 聖基

(4)神の心情を復帰
 それでは、伝道活動によって得られるものは何でしょうか? 神の心情を復帰することができます。私たちが復帰すべき神の心情は大きく分けて三つあります。

 第一は、創造の心情です。これは、神が、わが子である人間をついに地上に誕生させた喜びと希望の心情です。

 私たちが対象者を導くとき、相手の霊的な生命を誕生させた立場になるので、私たちは「信仰の親」となります。一方、対象者は「信仰の子女」になるのです。そのようにして、わが子を得た神の喜び、希望の心情を復帰することができるのです。

 第二は、堕落の心情です。これは、神が、わが子を失った絶望、悲しみの心情です。一生懸命に伝道しても、心が対象者に通じないこともあるでしょう。そういうときは、伝道の成果が出ないことを嘆くのではなく、人間の堕落を見詰められる神の心情を復帰する機会と考えましょう。

 「最前線での活動は最も神聖な義務であり、使命であります。それこそ正に人を愛していく道なのです。

 伝道のため一軒一軒訪問していくのは、伝道することだけが目的ではなく、人を愛していくことが目的なのです。神もある意味では共に前線活動をしているのです。神があなた方の上に降りてこられて、共に戸を叩いているのです。

 一軒一軒訪問して戸を叩く時、九〇パーセントは断られるでしょう。同様に、神があなた方を愛そうとしておられる時、九九パーセントあなたがたは神を否定してしまうのです。ですから前線活動をする中で、あなたがたが拒絶されることで神を慰めることができるのです。

 あなた方が悲しい体験をすることによって神を慰め、神の心情を揺さぶることができます。そしてそこに愛が結実します。それはなんと崇高なることでしょうか」1982627日)

 このみ言のように、私たちが、救ってあげたいという善意から声をかけても、その心が通じず、無慈悲に断られることがあります。それは、神が人間から否定されたときに通過された心情を復帰する瞬間であり、感謝して受け止めることによって、蕩減条件が立てられる瞬間なのです。このような悲しみの絶頂で神を慰めてこそ、神と心情の絆を結ぶことができます。


画像をタップすると拡大してご覧になれます

 第三は、復帰の心情です。これは、堕落したわが子を変わらずに赦し愛する、親の絶対的な愛の心情であり、復帰への執念です。その道がどんなに険しくても、親なる神は子女の救いを決して諦められません。伝道活動を通じて、私たちもそのような心情を追体験することでしょう。そうしてこそ、切っても切ることのできない、神との深い心情の絆が結ばれるのです。

 このような心情復帰の結実として与えられるのが信仰の子女であり、それは最高の喜びの対象となります。

(5)三人の信仰の子女
 万民を伝道することが目標ですが、第一段階として、三人の信仰の子女を立てることを目指します。ここには特別な意味があります。

 「霊(信仰)の子とはいったい何か。これは失われた三人の天使長を意味する。アダム、エバが、三人の天使長の共同圏、協助圏に立てなかったから人間は堕落した。それを蕩減しなければならない。だから、三人の霊の子は三人の天使長に当たる」1983513日)

 三人の信仰の子女を立てることは、三天使長(ルーシェル、ミカエル、ガブリエル)、人間(アダム、エバ)を再創造する条件となり、アダム家庭復帰の条件となります。ゆえに、イエス様も真の父母様も三弟子を立てるために死力を尽くされました。

 三人の信仰の子女は、私の存在基台となります。それゆえに私の信仰が守られ、心情も安定するのです。

 家庭の中でも、愛の関係がなければ、存在位置を失います。愛と存在は密接に関わっているのです。ですから、伝道を通して愛を復帰してこそ、「私」という存在を復帰することができます。

 イエス様は三弟子が離れていったことで存在基台を失い、地上で摂理を遂行することができなくなりました。私たちは、三人の信仰の子女を立てる中で愛を復帰し、個人の存在基台を築いて、初めて家庭基盤をつくる条件を立てることができるのです。

 「自分の信仰の子女に対して、自分の生んだ子供より以上の心情的関係をもたずしては、サタンの心情圏を絶対越えることはできない。

 あなたたちは神の身代わりになり、イエス様の身代わりになるんだね。だから、父母の身代わりだね。父母の心情をもって僕の体をもって、汗は地のために、涙は人類のために、血は天のために流していく。それが我々の世界を復帰するための鉄則である。

 自分の伝道した人が、イエス様が十字架にはりつけになる前に逃げてしまった弟子たちの基準を越えなければならない。それは何かというと、自分のためにその伝道した人が自らの命をささげて死んでいくような人をつくらなければ復帰できない。先生はそういう人を大勢もっている。世界の隅々にまでいる。これはサタンの世界には絶対ないよ。あなたたちは伝道してくれた人に対して、この道を教えてくれた信仰の親として感謝するだろう。

 もし死ぬ立場になったら、親の苦しみを自分の苦しみとして、自分が先立って死ぬような三人の弟子をイエス様も求めた。その基準を復帰した条件を立てなければ、伝道した人を復帰することはできない。それはたやすいことではありません。自分の子供を育てるのはむしろ簡単だよ。しかし、霊の子供にはその三倍以上の苦労を費やさなければならない。先生はそういう基台を築くために、七年以上、二時間以上は寝なかったよ。着るのも忘れ、食うのも忘れて心を尽くした」(『み言に学ぶ伝道の姿勢』132133ページ)

 私たちも伝道を通じて、神様、イエス様、真の父母様と共に、選民たちがたどってきた歴史的な蕩減復帰路程に同参する一員となることができるのです。