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シリーズ中級講座 11
救援摂理史の原理観<3>

 世界家庭誌で2021年11月号から2022年12月号までの期間に掲載された「中級講座シリーズ」の内容を、「シリーズ中級講座」のタイトルで毎日朝5時にお届けすることになりました。信仰生活の向上、毎日のみ言学習にお役立てください。

伝道教育局副局長
入山 聖基

血統復帰までの苦難の路程

 「タマルは、選民の血統を継がなければならないという一念で、売春婦を装って、舅であるユダを迎えて双子を身ごもりました。赤ん坊たちが生まれるとき、先に手を突き出して出ようとした長子が再び胎に戻り、弟になるべき次子が先に生まれたのですが、それがペレヅです。タマルの胎中で長子と次子が争い、サタンが分立される胎中復帰が成就したのです。

 このような条件の上に選民の血族を得て、その二千年後に、ローマ帝国の国家基準に対峙するイスラエルの国家的な土台の上にメシヤを身ごもることができたのです」(『平和経』、120ページ)

 「タマルは、神様の祝福を受けた血族がどれほど貴いかを知っていました。それで、その血族を受け継ぐためには、どのようなことでもしようとしたのです」(天一国〈てんいちこく〉経典『天聖経』、207ページ)

 タマルという女性は、神の血統を守るために自らの愛と生命を犠牲にする内的基準を立てた女性でした。血統を求め続けてきた神様の心情の相対に立ったのです。彼女の目には、神から祝福されたイスラエルの血統しか見えませんでした。

 神の血統を失った人間が天の前に復帰されるためには、自らの愛情や好き嫌いの感情、人の目や常識、生命よりも、血統が貴いと考える女性が現れなければなりませんでした。タマルは正に、そのような女性でした。神はタマルを愛して祝福し、その功労を血統に結実させました。

 タマルは、アブラハム─イサク─ヤコブと続く3代の血統を受け継いだ、4代目のユダと共に、その血統を5代目のペレヅにつなぎました。4代を超えたこの血統は40代続き、その間にダビデ王、ソロモン王のほか、南朝ユダの20人の王が生まれました。


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 タマルは双子のペレヅとゼラを生みました。「タマルの胎中で長子と次子が争い」とあるように、胎中でアベル・カインの長子権復帰が成されました。次子として生まれるはずのペレヅが長子として生まれ、イスラエルが、天運を受けて民族的基盤を拡大していくようになりました。そして、このユダ族からイエス・キリストの誕生に協助するヨセフが生まれます。こうして、イエス様が誕生する時代が準備されていったのです。

祝福の恩恵の背後にある犠牲への感謝を忘れない

 現代に生きる祝福家庭にも、タマルの絶対的信仰が受け継がれてきたと思います。古い先輩家庭であればあるほど、家族や親族、社会の理解を得られない難しい環境の中で、神の血統を残すために、自らの愛と生命を捨て、常識を超えて、その道を開拓してきたのではないでしょうか。そのようにして立てられた蕩減条件の土台の上に、祝福結婚の恩恵が全世界に拡大されていったと思うのです。

 苦労の道を行く先輩家庭の先頭に立ち、いちばんに犠牲を捧げてこられたのが真の父母様です。

 祝福の恩恵の背後に積み重ねられてきた犠牲への感謝を忘れてはなりません。私たち一世はもちろん、二世の皆さんにおいても、人間的な感情の基準を超えて祝福の血統を守り、受け継いでいく使命があるのです。