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シリーズ中級講座 3
統一思想入門講座
「統一思想とは何か」<3>

 世界家庭誌で2021年11月号から2022年12月号までの期間に掲載された「中級講座シリーズ」の内容を、「シリーズ中級講座」のタイトルで毎日朝5時にお届けすることになりました。信仰生活の向上、毎日のみ言学習にお役立てください。

統一思想研究院
木南章良・首席研究員

(2)真の愛とは

 次に、真の愛とはいかなるものか、真のお父様の教えを基に四つの観点で述べます。

①ために生きる
 真の愛とは、“父母の心情、僕の体”で人に尽くすことです。心には父母の心情を抱き、体は僕のようにして相手のために生きます。代価を求めるのではなく、無条件に与えるのです。

 真のお父様は、「与えて忘れる」ということを強調なさいました。与えて満足するのではなく、与えても、まだ足りないのではないかと恥ずかしさを覚えるのです。

➁怨讐までも愛する
 イエス・キリストが、「『隣り人を愛し、敵を憎め』と言われていたことは、あなたがたの聞いているところである。しかし、わたしはあなたがたに言う。敵を愛し、迫害する者のために祈れ。こうして、天にいますあなたがたの父の子となるためである」(マタイ五・4345)と群衆に向けておっしゃったとおりです。

③より大きなもののために犠牲になる
 個人は家庭のため、家庭は氏族のため、氏族は民族のため、民族は国家のため、国家は世界のため、世界は天宙のため、天宙は神のために生きることを喜ぶ、そのような愛です。家庭のために生きる個人となり、わが家庭だけの幸せを謳歌するのではなく、その幸せを周りの家庭に分けるために、犠牲の道を歩んでいこうとするのです。

 国家にとって国民の愛国心はとても大切ですが、それが国家レベルでとどまっている限り、神の愛にふさわしくないと言わざるをえません。真の愛とは、国家が繁栄すれば、いまだ繁栄を享受することができない国々のことを思い、恩恵を共有できないことを悔しく思う、そのような愛です。

④愛の対象を第一に考える
 皆さんは「先有条件」という言葉をご存じでしょうか。それは「愛の対象が先に有る」ということを意味します。夫婦でいうと、夫とは、妻がいる人のことをいいます。つまり、“妻がいるがゆえに”夫になれるということです。妻をそのように貴重な存在であると思いながら愛を投入します。

 親子関係においても、子供がいるからこそ、私たちは父母になれます。そのように考えて、愛の対象として子供のことを貴く思い、愛していくのです。そして、愛の相対が自分よりも優れていることを願います。

 真のお父様は、人間における愛の関係をこのように説明し、神様と人間との愛の関係に言及されました。

 「真の愛は宇宙の源泉であり、宇宙の中心、宇宙の主人にしてくれる愛です。真の愛は神様の根であり、意志と力の象徴でもあります。したがって、真の愛によって結ばれれば、永遠に一緒にいてもただうれしく、宇宙はもちろん、神様までも引っ張れば付いてくる愛です」(『平和経』626ページ)。

(3)実体の真の父母を地上に立てようとされた神

 神は人間始祖アダムとエバを創造し、ふたりが成長して真の父・真の母となることを願われました。彼らから生まれ、広がっていく神の子たちによって「人類一家族社会」を築くという理想を抱いておられたのです。

 しかし、アダムとエバの堕落により、その理想は実現されませんでした。

 それから4000年を経て、神はイエス・キリストをこの地上に送られました。「キリスト」(救世主)のことを「メシヤ」とも呼びますが、メシヤは真の父母になる立場であり、神は、人類の救世主、メシヤとしてイエス・キリストを送り、真の母となる女性を迎えようとされたのです。

 ところが、イエス・キリストは家庭を持つことができないまま、無実の罪で十字架に架けられ、肉身を奪われてしまいました。そのため、聖霊を霊的真の母として迎え、霊的真の父母の立場で、霊的な子女として、クリスチャンたちを霊的に重生していかれました。

 しかし、天の願いは霊肉共の救いですから、霊肉における真の父母が立たなければなりません。それゆえ、神は再臨主を送り、真の母を迎えようとされました。霊肉の真の父母が善の子女を繁殖することで、地上天国、天上天国を築いていこうとされたのです。それが神のもとの人類一家族社会です。

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