2023.08.01 22:00
スマホで立ち読み Vol.24
『祝福結婚と原罪の清算』15
太田朝久・著
スマホで立ち読み第24弾、『祝福結婚と原罪の清算』を毎週火曜日(予定)にお届けします。
ここでは第4章「原罪の清算」を紹介します。
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第四章 原罪の清算
三、「聖酒式」による原罪の清算
聖酒式による罪責の消滅
②三者間でなされる原罪清算
原罪の清算は、ある手続きを経て、堕落で生じた罪責(サタンの讒訴圏)を消滅させれば、その時点で成立します。その場合、罪責がどう消滅したのか、すなわち、だれからだれに対して贖罪(しょくざい)行為が行われて、原罪が清算されたのかを知らなくてはいけません。
「聖酒式」で原罪は完全に清算されますが、【図5】を見れば分かるように、その儀式は三者間で行われることによって、アダムとエバ、および天使長との間で生じた堕落行為を蕩減復帰するものです。これを通過することで、堕落人間のもつ罪責のすべてが消滅するのです。
まず、婚約期間中において、天使長の誘惑を受けたエバは、アダムを裏切って天使長と霊的性関係を結んで堕落してしまいました。
これが「霊的堕落」ですが、聖酒式においては、まず、男性と女性が「約婚式」を受けたあとで、①再臨主が女性に手を置いて祈り、②次に女性が、再臨主(真〈まこと〉のアダム)から聖酒をもらって飲みます。
これはアダムの立場に立つ再臨主と、一体化することを象徴しますが、①の真のアダムが女性に手を置くことは、霊肉一体となったことを意味します。これによって、堕落エバは、完成したアダムのもとへ復帰された立場に立ちます。
真のお父様は、手を置いて祈ることに関し、次のように語っておられます。
「先生が女性たちに手を重ねるのは一体化の式である。……それを通じ、先生の身を受けてから相対者と霊的肉的に一体となる。だから、今までは女は娘の立場であったのだけれど、今は霊的には相対者の立場である」(1970年10月10日)
この場合、罪責はどう清算されているのかといえば、エバが婚約中に、天使長と不倫をすることでアダムを裏切ったので、今度は反対に、天使長(男性)と“約婚式”をしたあとで、その天使長を裏切る立場で、真のアダムの愛で一体化し、その相対者の位置(霊的な妾〈めかけ〉)に立つことによって、エバの霊的堕落によって生じた罪責を消滅させているのです。これが、一つ目の女性における原罪清算です。
一方、その期間、天使長の立場に立つ男性は、婚約中のエバが、真のアダムに対して、絶対信仰と心情を捧げている姿を見ながらも、そこで“愛の減少感”に打ち勝ち、御旨(みむね)を中心に神の御言(みことば)に従って、完成したアダムに協助(きょうじょ)するという心情路程を通過することで、天使長が越えることができなかった自己の位置を離れた問題を清算しています。
すなわち、神の御旨が実現するために、善なる協助をする立場に立っているのです。
次に、真のアダム(再臨主)と一つになり、創造本然のエバに戻った女性が、③残り半分の聖酒を、天使長の立場に立っている男性に手渡し、それを男性が飲むことによって、その男性は天使長の立場から“真のアダム”の霊的息子(庶子)の立場へと生み変えられます(=血統転換)。これは、肉的堕落によって、アダムが天使長の霊的息子として生み落とされたという、いわば、サタン側へ血統転換された立場を蕩減復帰するものです。
これによって、堕落エバが神の息子アダムを誘惑して、アダムを悪なる天使長の霊的息子の立場へと堕落(悪なる血統転換)させてしまったという、エバの二つ目の罪責を、消滅させているのです。
そして、天使長の立場に立っていた男性が、“真のアダム”の霊的息子(庶子)の立場へと生み変えられることによって、その男性は、天使長がアダムとエバに対して果たすべきであった“善なる協助”をするという使命を、天使長の立場に代わって果たしたことを意味するので、もはやサタンは、その男性の所有権を主張できません。
これによって、エデンの園におけるアダムが、責任分担を果たさなかったために生じた堕落行為に対する、サタン(堕落した天使長)の讒訴圏を解消し、アダムが天使長に対してもっていた罪責を、すべて清算したことを意味します。これが男性における原罪の清算です。
以上のように、「聖酒式」を三者間で行うことで、「霊的堕落」と「肉的堕落」によって生じた三者間における罪責の問題をすべて解消するので、そこにおいて、“天の法廷”において、無罪が宣告されることになります。
これが、すなわち、「聖酒式」における原罪の清算なのです。
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次回は、「聖酒式の絶対価値」をお届けします。
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