2023.06.15 22:00
新 堕落性の構造 84
現代人に不幸を招来する「心のゆがみ」。そんな悩みの尽きないテーマをズバッと解説! 人間堕落の根源からその原因を究明している一冊です。毎週木曜日配信(予定)でお届けします。
阿部 正寿・著
『原理講論』の堕落論の要約──あとがきにかえて②
「原理」によれば、エバが蛇から薦められて食べたいわゆる禁断の木の実は、果実ではなく、実は蛇とエバとの間に行われた不倫の性行為だったというのです。ここにいう蛇は、動物の蛇ではなく、神が天地創造のための助け手として造られた天使たちの中のリーダー格であった天使長のルーシェルであるということを、苦労の末、突き止められたのです。
このルーシェルが、人間を堕落させた張本人であり、本人も堕落の罪のゆえに悪天使サタンとなって、今日も悪の支配者として、神と人類を苦しめているというのです。
文鮮明先生がなぜ命懸けであったかという理由は、人間の堕落以来、サタンはその原因を人類に隠し続け、だれでもその秘密に触れようとする者は命を全うすることができなかったからです。
天使は人間のように肉体はもっておらず、霊だけの存在ですが、人間と同じように行動し、生活できる被造物です。
ではなぜ天使長が、エバと不倫の行為に及んだかという理由は、彼が神からアダムとエバの教育係兼、後見人という立場を与えられていたのですが、二人の子供が次第に成長し、立派になるにつけ、特にエバは年ごろの美しさと魅力を備え、彼の心をとらえるようになったからです。
天使長は、人間の子守役としての使命に不満を感じ、神が自分より人間を愛するのを見て、愛の減少感をもっていたから、美しく成長するエバに心を引かれ、誘惑してついに堕落させてしまったのです。堕落させられたエバは自分の過ちに気づき、自分が本来結ばれるべき相手は、アダムであったことを知って、急いでアダムと愛の行為を行ったのでした。これが堕落の顚末(てんまつ)です。
それ以来サタンは、人類を自分の血統につながる者として、見えない霊界から支配し、人類は生まれながらにしてサタンの軛(くびき/これを原罪という)を課せられているのですが、それが分からずに今日まで、悲惨な歴史をたどってきたのです。
(続く)
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次回は、「『原理講論』の堕落論の要約──あとがきにかえて③」をお届けします。