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新 堕落性の構造 83

 現代人に不幸を招来する「心のゆがみ」。そんな悩みの尽きないテーマをズバッと解説! 人間堕落の根源からその原因を究明している一冊です。毎週木曜日配信(予定)でお届けします。

阿部 正寿・著

(光言社・刊『こう解ける! 人生問題~新 堕落性の構造』〈1996年3月15日初版発行〉より)

『原理講論』の堕落論の要約──あとがきにかえて①

 「堕落性の構造」における堕落性の解明と、その解決のための指針はすべて、文鮮明(ムン・ソンミョン)先生が解かれた「統一原理」に依拠したものであることを、ここに明確にしておきたいと思います。

 「統一原理」は、人生と宇宙に関する根本問題を解決する指針として提示されたものです。私が抱いたすべての疑問や悩みを解き明かしてくれたのが、この「統一原理」でした。しかしこの「統一原理」(以下略して「原理」と呼びます)は、聖書の奥義を文鮮明先生御自身が、私たちの想像を絶する命懸けの苦悶を通じて明らかにされた真理です。したがって、真剣に真理を求める人でなければ理解できない内容が多くありますし、また宗教をもたず、信仰体験のない方には理解しにくい点が多いと思います。それを少しでも一般の方々に理解していただくためにこの「堕落性の構造」を書いたのですが、これが取り扱うのは、「原理」の堕落論のほんの一部を土台としたものにすぎません。それゆえ、堕落性の構造をより深く理解するためには、堕落論自体を知っていただく必要があります。そのため、その要約を掲載したいと思います。

 まず、基礎となる聖書を引用します。

 神は7日間で天と地とを創造されたが、その6日目に、「神は自分のかたちに人を創造された。すなわち、神のかたちに創造し、男と女とに創造された」(創世記一・二七)。また、「主なる神は東のかた、エデンに一つの園を設けて、その造った人をそこに置かれた。また主なる神は、見て美しく、食べるに良いすべての木を土からはえさせ、更に園の中央に命の木と、善悪を知る木とをはえさせられた」(創世記二・八、九)。「あなたは園のどの木からでも心のままに取って食べてよろしい。しかし善悪を知る木からは取って食べてはならない。それを取って食べると、きっと死ぬであろう」(創世記二・一六、一七)と言われました。

 ところが、このエデンの園には神が造られた野の生き物のうちで最も狡猾(こうかつ)な蛇がいました。「へびは女に言った、『あなたがたは決して死ぬことはないでしょう。それを食べると、あなたがたの目が開け、神のように善悪を知る者となることを、神は知っておられるのです」(創世記三・四、五)。「女がその木を見ると、それは食べるに良く、目には美しく、賢くなるには好ましいと思われたから、その実を取って食べ、また共にいた夫にも与えたので、彼も食べた。すると、ふたりの目が開け、自分たちの裸であることがわかったので、いちじくの葉をつづり合せて、腰に巻いた」(同、三・六、七)。このあと、最初の男であるアダムと最初の女であるエバはエデンの園から神によって追放されました。

 以上、引用がいささか長くなりましたが、これがいわゆる聖書にある失楽園の物語です。このだれもが知っている失楽園の物語が何を意味しているかを、命懸けで解明されたのが文鮮明先生でした。

(続く)

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 次回は、「『原理講論』の堕落論の要約──あとがきにかえて②」をお届けします。

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