2023.06.09 22:00
【テキスト版】
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第140回 憲法改正とは何を変えるべきなのでしょうか?
ナビゲーター:阿部美樹
皆さん、こんにちは!
今回は、「憲法改正とは何を変えるべきなのでしょうか?」という質問に対してお答えします。
現行の日本国憲法の改正すべき三つのポイントを説明します。
第一のポイントは、最大の欠陥として挙げられている「憲法第9条」問題です。
日本国憲法には、日本と日本国民をいかにして守るのかが全く記されていません。
私たちは日本が置かれている状況を直視すべきだということです。
日本は今、米中新冷戦の最前線に立たされており、中国の強大な軍事力がわが国と周辺国の領土、領海を脅かしています。
中国は今後、台湾に侵攻する可能性が高いといわれます。米国大統領選と台湾総統選が重なる2024年が、台湾侵攻のタイミングになるとの見方もあります。
台湾有事は日本の有事に直結します。
中国は日本固有の領土である尖閣諸島を中国の「核心的利益」と位置付け、虎視眈々(たんたん)とその占領をもくろんでいます。中国が尖閣を奪取すれば、次は間違いなく沖縄が標的になるでしょう。
北朝鮮の脅威も無視できません。
自国と国民を守るためには軍隊が必要不可欠だということです。日本において軍隊に相当するのが自衛隊ですが、日本国憲法には国防を担う自衛隊について明記されていません。
中国や北朝鮮など専制主義国家の厳然たる脅威を前に、平和憲法や平和主義をイデオロギーとして振りかざすのではなく、日本とアジアの平和そのものを守らなければなりません。
命を懸けて日本と国民を守ってくれる「自衛隊」を、ふさわしい形で憲法に位置付けていくことが大切だといえるのです。
改正すべき第二のポイントは、緊急事態条項を入れることです。
東日本大震災に続き、新型コロナウイルス感染症のパンデミックによって、日本で改めて注目を集めているのが緊急事態条項です。
緊急事態条項とは、通常の憲法秩序では国民の生命や財産を守れない状況に陥った際に、国民を守るための権限をあらかじめ規定したものです。想定外の事態に法的枠組みを持って対応するための規定です。
比較憲法学を専門とする西修・駒澤大学名誉教授によると、緊急事態条項は184カ国に導入されており、特に1990年以降に制定された104カ国の憲法全てに存在するといいます。
つまり、世界のほぼ全ての憲法に緊急事態条項があり、同条項を規定することは世界の常識だというのです。
改正すべき第三のポイントは、「家族条項を入れる」ことです。
現行憲法には家族関係を規定した第24条にも家庭という言葉はなく、日本国憲法には家族や家庭の重要性は一切規定されていないのです。また、家族の位置付けすら示されていません。
総務省によると、2021年4月1日時点の15歳未満人口は1982年から40年連続で減少となり、総人口に占める割合も1975年から47年連続の低下となっています。
このような少子化、出生率の低下を食い止めるためにも、結婚や家族の価値を問い直し、夫婦・家族を強い絆で結び直さなければなりません。
家族問題は静かな有事であり、家族の再生は喫緊の課題です。家族への支援をさらに積極的に進め、家族の絆を強めるような具体的な施策を展開するためにも、憲法に「家族条項」を明記し、その根拠とすべきなのです。
このような3点を踏まえて、日本と世界にふさわしい憲法をつくっていくべきでしょう。