2023.05.26 22:00
【テキスト版】
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第138回 LGBT問題に対する専門家の見解を教えてください
ナビゲーター:阿部美樹
皆さん、こんにちは!
今回は、「LGBT問題に対する専門家の見解を教えてください」という質問に対してお答えします。
LGBT問題を理解するために、専門家の見解をいくつか紹介します。
まず、LGBTの原因についての見解を二つ挙げます。
第1は、『同性愛は生まれつきか? 同性愛の誘発要因に関する科学的探究』という研究書で紹介されているニュージーランドの生化学者・遺伝学者のニール・ホワイトヘッド氏の見解です。
彼は同性愛の原因について精力的に研究しています。結論から言えば、同性愛は遺伝でも先天的なものでもないと主張しています。
同書には、同性愛の遺伝についての研究で、双子の症例が出ています。
一卵性の双子で、お互いに同性愛である確率はおよそ10%前後、つまり90%は、片方が同性愛者でも、もう一人は異性愛者だということです。
もし同性愛が遺伝によって決定するなら、一卵性の双子の性的指向は一致しなければならないというのです。
第2は、米国サウスカロライナ州立大学医学部の博士たちの見解です。
ジョージ・A・リーカーズ博士によると、性別違和のひどい子供全てに父親がいない、あるいは父親が家庭を捨てている状況があり、いずれも医学的には異常がなく、ホルモン異常もなかったといいます。
行動療法を施し、8年かけて性同一性障害の治療に成功したことが紹介されています。
ジェリー・リーチ博士は、1600人以上の性同一性障害の回復を支援してきました。彼らも家庭環境に問題がありました。親の愛情が不足したとか、不幸にも性的虐待を受けたことなどが報告されています。
この二つの見解から見れば、原因は先天的なものというよりも、環境的要因が大きいと考えられます。
次に、結婚の定義に関する見解を二つ紹介します。
第1は、学習院大学の法科大学院教授で民法学者の大村敦志氏の見解です。
民法学の通説から見れば、「婚姻は伝統的に生殖と子の養育を目的とするもの」です。
大村氏は「民法は生物学的な婚姻障害をいくつか設けている。そこには前提として、婚姻とは『子供を産み・育てる』ためのものだという観念があると思われる」と明言しています。
第2は、長崎大学准教授の池谷和子氏の見解です。
「夫婦が社会から承認された制度の中でのみ性的行為をし、責任を持って子どもを生み育てることで、子どもは誰が自分の本当の両親かを知ることができ、血の繋がった両親に育ててもらうことができるからである。それゆえ、基本的には一夫一婦制や貞操義務が夫婦としての当然の前提とされ、そのことが子ども達の健全な発育を助け、そこに婚姻制度の意義があると考えられてきた。婚姻制度は、社会の秩序を確保する最適な方法ともなっていると言える」と述べています。
同性婚の可否について池谷准教授は、「決め手は婚姻の目的をどう考えるかという点にあると思われる」
「二人の人間が共同生活を営むという点のみに着目すれば、その二人が異性であるか同性であるかは必ずしも重要ではないかもしれない。しかし、二人の人間が子どもを育てることを合意して共同生活を送るという点に婚姻の特殊性を求めるならば、同性のカップルには婚姻と同様の法的保護までは認められないことになる」と強調しています。
このような専門家の見解を参考にすれば、同性婚の法制化に対しては冷静な判断が必要であることが分かります。