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愛を育て、幸せをつくる結婚 12

 「愛を育て、幸せをつくる結婚」を毎週金曜日配信(予定)でお届けします。
 「そもそも結婚ってすべきものなの?」「結婚はしたいけれど、自信がない」という青年男女に向けて、「祝福結婚っていいかも」と思ってもらえることを目指して本書はまとめられています。

 家庭連合の結婚観について知っていただくきっかけにもなる書籍です。

世界平和統一家庭連合「結婚と家庭」研究チーム/編

(光言社・刊『愛を育て、幸せをつくる結婚』より)

おわりに

結婚に関する日本の現状と、世界平和統一家庭連合の取り組み

 「結婚は、単なる男女の出会いではありません。それは神の創造の偉業を受け継いでいく貴重な儀式です。結婚は、男性と女性が一つになり、生命を創造して真の愛を求めていく道です。結婚を通して新しい歴史が生まれます。結婚した家庭を中心に社会が形成され、国家が建設され、神の願う平和世界が築かれていきます。つまり、この世の中で神の国、天国が広がる起点となるところが家庭なのです」

 これは、家庭連合の創始者である文鮮明(ムン・ソンミョン)先生の自叙伝『平和を愛する世界人として』(228ページ)に記されている言葉です。
 家庭連合では、創造主である神様を人類の親であるととらえ、「天の父母様」と呼んでいます。そして人間が結婚して夫婦となり、子女を生み育てることが、親である神様の最大の喜びであると考えています。そのため「祝福結婚式」は、家庭連合において最も重要な行事となっています。

 また、聖書におけるアダムとエバの物語には「失楽園の物語」があり、人間を不幸にしてしまう「原罪」がそこで発生したとされています。家庭連合における「祝福結婚式」は、そのような「原罪」を清算していくための儀式という意味合いも持っています。

 現在、日本では3539歳の年齢層において、男性は3人に1人、女性は4人に1人が結婚していません。これは、1980年の同年齢層未婚率が男性で8.5パーセント(約12人に1人)、女性で5.5パーセント(約18人に1人)だったことを考えると、驚くべき数字です。もはや「晩婚化」を通り越して、「非婚化」が進んでいると言えるのかもしれません。

 2008年、結婚問題に本気で取り組むべきだとして『「婚活」時代』という本が出版されました。著者の山田昌弘氏、白河桃子(とうこ)氏はこの本で、結婚できない男女が増えており、就職に「就活」が必要なように、結婚にも「婚活」が必要な時代が到来したことを訴えました。時を同じくして、数々の婚活サービスが登場してきます。

 婚活サイトが増え、婚活パーティー、結婚相談所などが全国に広がり、活況を呈しているのです。昨今は、親が子どもの結婚相手を探すために婚活に取り組む「親婚活」も始まっています。今や子どもの結婚に、親子関係も含めた「家庭の総合力」が求められるようになっているのです。

 実は、このような「婚活」「親婚活」「家庭の総合力アップ」というのは、家庭連合が以前から取り組んできた内容です。ある意味で、知らないうちに時代を先取りしていたのかもしれません。
 最近では、「婚活」だけでなく、結婚教育が必要ということで、明治大学では「婚育」の授業が始まりました。諸富祥彦(よしひこ)氏は著書『明治大学で教える「婚育」の授業』で、結婚能力を高めるために、まずは人間関係力、異性間における自然なコミュニケーション力が必要であることを強調しています。

 家庭連合では、「人類は神様を共通の親とする兄弟姉妹である」という考えから、青年男女の間においても、異性というよりは「兄弟姉妹」という意識で自然な交流を行っています。このような「兄弟姉妹の文化」こそ、何ものにも勝る婚育の環境と言えるのではないでしょうか。

 また、九州大学では「婚学」が提唱されました。農学博士でありながらも、「子孫が消滅したら農業も何もない」として結婚教育に乗り出したのが佐藤剛史(ごうし)氏です。
 共著で『結婚できる「婚学」教室』という本も出しています。佐藤氏は、婚学とは総合的な人間力を養うことであり、結婚の意義を考えるところから始まると主張しています。結婚とはすなわち、「為(ため)に生きること」であり、「自己成長のため」にするものではないか、というのです。このような観点は、本書でも述べてきたように、家庭連合の基本的な考え方と一致するものです。

  家庭連合では、人々が本当に幸せな結婚をし、幸せな家庭を築けるようになるために努力してきましたし、今もそれを継続しています。
 祝福結婚について学ぶセミナーでは、毎年700人近くの青年たちが、結婚の意義や家庭を持つための姿勢などを学んでいます。また、結婚適齢期になった子女を持つ父母を対象としたセミナーや、親子で結婚について考えるセミナーには、毎年7,000人以上が参加しています。

 何より、多くの父母が、我が子の結婚相手として相応しい人と出会うために、日々真剣な祈りを捧げながら、夫婦で心を一つにする努力を重ねています。また、親子で向き合って結婚について話し合うことを推奨しています。さらには、子女の結婚相手をいかに「我が子」として見つめ、受け止めるかという取り組みをしながら、結婚後の家庭が安定した親族関係の中で幸せをつくっていけるようにしています。

 自分の子供だけでなく、結婚を願う青年たちを幸せに導きたいという人たちが「祝福結婚サポーター」となって、父母や青年の相談に乗るという取り組みも始まっています。
 もちろん、全てが順調にいっているわけではありません。まだまだ課題もあり、改善の努力をしている真っ最中です。それでも、そのような中から「神様が準備した出会い」をお互いの家族同士が実感する中で結婚し、本当に幸せな家庭生活を送っている夫婦が着実に増えています。

 「祝福結婚」には希望があります。「幸せな結婚」は可能です。

 「祝福結婚」は家庭連合の教理に基づく宗教的な行事ですので、少しでも関心を持たれた方は、ぜひ一度、創始者である文鮮明先生が明らかにされた「統一原理」を学んでいただければ幸いです。

世界平和統一家庭連合「結婚と家庭」研究チーム

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 「愛を育て、幸せをつくる結婚」は、今回が最終回です。ご愛読ありがとうございました。


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