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家族の絆づくり 268
フィードバックの仕方で成長が決まる!

ナビゲーター:阿部 美樹

ギャップフィードバックとは?
 フィードバックとは、「目標達成に向けた行動の軌道修正をしたり、動機付けをしたりするために、口頭もしくは文章を用いて行われる教育や指摘、あるいは評価のこと」です。

 職場で上司が部下にフィードバックするだけでなく、同僚や友人、家族まで、全ての人間関係の中で行われています。

 元々は、英語の“feedback”をカタカナで表現したのがフィードバックですが、その直訳は「帰還」です。
 語源は工学分野の用語で、結果の情報を与えることで調整が利くようにする仕組みを意味しました。

 フィードバックには大きく分けて2種類があります。

 第1は、「ギャップフィードバック」です。

 相手の行動の気になる点、課題や改善すべき点を伝えるフィードバックです。

 重大な問題については、厳しくフィードバックすることは当然必要です。しかし厳しく言い過ぎて相手が自信を失ったり、意欲をなくしたりする可能性もありますので、相手のタイプをよく見て行う必要があります。

 基本的には「気付き」を与えるような投げかけが、自主的に成長するきっかけになることでしょう。

ポジティブフィードバックとは?
 第2は、「ポジティブフィードバック」です。

 本人が気付いていない強みや長所を伝えてあげることです。
 「褒めて伸ばす」ことは、「好ましい行動の強化」であったり、「好ましい行動への転換」にもなったりします。

 相手が「良い行動」をしたことを、見逃さず褒めてみましょう。そうすれば問題行動が良い行動に徐々に転換されていくことでしょう。
 その良い行動が習慣化できたら、その人は次の段階へと成長していきます。

 一般的に、フィードバックというと、ギャップフィードバックと捉える人が多いですが、ポジティブフィードバックをもっと意識し、バランスを持ったフィードバックを行うことが望ましいでしょう。

 フィードバックは、する側の姿勢も大切ですが、受ける側の姿勢がポイントです。
 受ける側の姿勢として、「成長意欲」と「素直さ」を持つ必要があります。

 他者からの助言に心開いて、時には苦言すらも自分の成長に転化できる姿勢を持って臨むことが大切です。

 このように、フィードバックは「相手の成長を促す」と同時に、「自分自身の成長」のためでもあります。
 バランスの良いフィードバックを目指し、良好な人間関係を目指しましょう。