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新 堕落性の構造 79

 現代人に不幸を招来する「心のゆがみ」。そんな悩みの尽きないテーマをズバッと解説! 人間堕落の根源からその原因を究明している一冊です。毎週木曜日配信(予定)でお届けします。

阿部 正寿・著

(光言社・刊『こう解ける! 人生問題~新 堕落性の構造』より)

22. 人生の最大の目的は創造目的を完成し神を喜ばせること

◉国際会議で無視される日本人
 19959月、中国の北京市で、国連主催による女性の地位向上と人権に関するNGO(非政府組織)会議が開催されました。これは5万人が参加するという史上空前の会議で、日本からも、地理的に近いという理由もあって、5千人が参加したということです。5千人といえば、参加者全員の実に一割になります。問題なのは、日本からの参加者の数ではなく、その質です。全部が物見遊山(ゆさん)とは言いませんが、会議そっちのけで観光に出かけたり、会議に参加しても黙っているだけで発言もなく、あるいは居眠りに終始していたケースが多かったそうです。

 ある参加者の帰国報告によると、使用言語の6カ国語のなかに最多参加国の日本語はなく、また日本人からの発言もほとんどなく、日本人のプレゼンスは完全に無視されたということです。

 使用言語に関しては恐らく、国連の公用語である英・仏・スペイン・ロシア・中国・アラビア語で通訳がなされたと思われますので、最多参加国の日本語を除外したというのは思い過ごしのようです。言語のことよりも、日本人がこのような国際会議で、ほとんど発言しないということこそ問題です。通訳を使えばいいわけですから、外国語ができないということは重要ではありません。問題なのは、自分の考えを自信をもって、臆せず、堂々と主張できる腹があるかということです。たとえ何か発言したとしても、反論でもされようものならオタオタして立ち往生という醜態も演じかねません。要するに、日本人は議論には慣れていないのです。

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 次回は、「国際会議をリードする欧米人」をお届けします。


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