2023.05.11 22:00
うまくいく夫婦仲の法則 14
アプリで読む光言社書籍シリーズとして「うまくいく夫婦仲の法則」を毎週木曜日配信(予定)でお届けします。
目指すは「夫婦仲良し、円満一家、どんな嵐もどんとこい」! 輝く夫婦、幸せな家庭を築くための秘訣(ひけつ)をご紹介します。
松本 雄司・著
第三章 夫婦がうまくいくための第一の秘訣
結婚して夫婦がうまくいかなくなるのはなぜなのか。また、夫婦が仲良くなるにはどうしたらよいのか。そういう問題についてこれから一緒に考えてみようと思います。それがこの本を著す目的です。
1 結婚生活が暗転する二つの原因
結婚生活の破綻には様々な原因があります。どちらかが多額の借金を作ってしまう。夫の浮気、妻の不倫、酒乱、暴力、親戚との折り合い……等々ありますが、これらは外的な問題です。その背景にはもっと本質的な夫婦の心情関係があります。結婚生活において、夫婦の心情関係がうまくいかなくなる理由には、特に、大きな二つの原因があります。
①夫婦関係が険悪になる第一の原因
それは、結婚後に相手の欠点、嫌な癖、嫌な面が見えてきて、そこから起こってくる問題です。
相手に対して、「ここが嫌だから変えてほしい、こうあってほしい」と要求を始める。その瞬間から非常に険悪な関係になっていくことが多いのです。それがどんどん悪循環した場合には、最後は、ののしり合いのような関係になってしまいます。最初はちょっとしたことから出発するのです。
あるとき旦那さんが奥さんに、
「おい、おれはあんたのこういうところが嫌いなんだ。だから変えてくれ、前にも言っただろう。いっぺん言えば分かるだろ」
そうしたら奥さんが、
「あ、そうでしたか、ごめんなさい。私忘れていました。これからは気をつけて必ず変えますから……」と言うでしょうか? そういう人はよほどできた人でしょう。
奥さんはカチンときて、
「何よ、そんなこと結婚する前から分かっていたはずでしょう。そんな小さなことを気にするなんて、あんたこそ男らしくない!」と言って、素直になれないのです。すると夫は、変わろうと努力しない奥さんに対して、「まったくかわいげもない。コンチクショー」ともっといじめたくなります。そうして悪循環になります。
逆も同じです、奥さんから、「あなたのこんなところが嫌です。いいかげん変わって下さい」と言われた。そのときに、
「いや、それは悪かったね。変わるように鋭意努力するよ」と言うような旦那さんはめったにいません。カチーンと来て、
「それがどうした、文句あるか。おまえこそ、いいかげんにもっとやせろ」などと逆襲されます。そうすると奥さんは奥さんで、
「私が言ってあげないともう誰も言ってくれないんだから、夫のためと思って指摘してあげているのに、それを全然素直に聞こうとしない。根性まで曲がっているんだわこの人は。もっと素直な人だと思って結婚したのに、とんだ見込み違いだったわ」
こう思うようになって悪循環です。どんどん行き違いが大きくなってくるのです。
言ったことを受け入れて素直に変わってくれれば、かわいいと思ってもっと愛してあげたくなるが、意地になって変わろうとしないともっといじめたくなる。これは悲劇的な悪循環です。お互いに要求し合えばし合うほど、二人の関係は険悪になります。それが重なって、とうとう離婚ということになりかねないのです。
②夫婦関係が険悪になる第二の原因
夫婦間にズレが生じるもう一つの理由があります。それは次の巻で詳しくお話ししますが、「男と女は非常に違う」ということを分からないか、あるいは感じてはいても認めようとしない、そういうところから生じる行き違い、誤解、不信感から険悪な関係になるというケースです。つまり、ものの考え方も、受け止め方も、願うことも、男と女では違うんだということに対する理解がないと、結婚生活は時間の問題で破綻していきます。男と女がいかに違うかということを、私たちは分かっているつもりなのですが、実は分かっていないことが多いのです。私もこれを研究してみて、自分でも分かっていなかったことがたくさんありました。この男女の違いを詳しく知ることが、夫婦二人がうまくいくために不可欠なことなのです。このことが分からないか、あるいは軽く考えていると、行き違いと相互不信が起こってきます。
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次回は、「相手の嫌な面が見えてきたとき/相手を変えようとすると」をお届けします。