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コラム・週刊Blessed Life 261
岸田首相、応援演説の中、襲われる!

新海 一朗

 何か日本の状況はおかしい。一体どうなっているのか。
 このような気持ちで岸田文雄首相の事件を知った人々は、思っているに違いありません。

 4月15日午前、岸田首相が選挙演説予定で訪れていた和歌山雑賀崎漁港で、演説直前に演説台に発煙筒のようなものが投げ込まれ、爆発音がして白煙が立ち込めて騒然となりました。

 この事件は午前1125分ごろ和歌山市の雑賀崎漁港で、選挙応援に訪れていた岸田首相が漁港の視察を終え、応援演説を始めようとしていたところ、突然大きな爆発音がして、白い煙が上がりました。
 現場にいた人などによると、男が発煙筒のようなものを投げつけ、爆発音がしたということです。

 岸田首相が衆院和歌山1区補欠選挙応援のために訪れた演説会場で15日、筒状のものが投げ込まれ爆発した事件で、威力業務妨害容疑で現行犯逮捕された人物は、兵庫県川西市の木村隆二容疑者(24)と判明、捜査関係者への取材で分かりました。

 和歌山県警によると木村容疑者は「弁護士が来てからお話しします」と供述しており、今後、県警は動機や詳しい経緯を調べることになります。
 捜査関係者などによると、木村容疑者が持ち込んだ爆発物と見られる筒状の物は2本で、うち1本が破裂し、残り1本は現場に残っていました。

 警察庁によると、演説会場は県警が策定した警護計画を警察庁が事前審査し、昨年の安倍晋三元首相銃撃事件を受けて改定した警護要則に基づき対応していました。
 詳しいことはこれから判明するでしょうが、またもや、昨年の安倍元首相銃撃殺害事件を想起させる類似の事件が、昨年同様に、選挙期間中ということ、野外での応援演説ということの同一パターンによって引き起こされたことは、由々しき事態です。

 世界の中でも、「安心安全」を最も印象づけてきた日本ですが、その神話が一気に崩れていくような事態に襲われている姿、白昼堂々と日本政治の最高責任者が狙われるという現実は、何を物語るのでしょうか。

 邪魔者は消せと言わんばかりの殺害のエネルギーが政治の闇として、社会の闇として、深く根を張ってきているとすれば、日本は非常にヤバい国ということになるでしょう。

 街頭での遊説活動中に、現役の有力政治家である安倍氏や岸田氏が襲われる事態は、あまりにも衝撃的ですが、それが昨年の7月、今年の4月と続くと、日本に民主主義はあるのかと言いたくなります。

 選挙は、民主国家の根幹をなす重要行事です。選挙活動においては思想信条の自由、言論・表現の自由、投票の自由が、厳格に守られなければなりません。
 その選挙を暴力で破壊する、自由を封殺するとなれば、動機が何であれ、民主主義、民主政治への挑戦であり、決して許すことはできません。
 日本国家の深刻さは、民主主義の存立の危機であることを知る必要があります。この事実を直視しなければなりません。

 日本は今、戦後政治の総決算をしなければならない時に来ており、それ故、次なるステップへの日本の「産みの苦しみ」の時期にあることは間違いないと思われます。
 政治の中に走る与野党の緊張感は、公明正大な選挙活動で決着を見なければなりません。