2023.04.11 12:00
世界はどこに向かうのか
~情報分析者の視点~
統一地方選の前半終了~各党の動向は
渡邊 芳雄(国際平和研究所所長)
今回は、4月3日から9日までを振り返ります。
この間、以下のような出来事がありました。
蔡英文総統が米国のロサンゼルス到着、マッカーシー下院議長と会談へ(5日)。仏大統領が訪中、3年5カ月ぶり(5日)。韓国大統領、27日米議会で演説決定(6日)。中国、台湾周辺での軍事演習発表(8日)。統一地方選前半の投開票(9日)、などです。
4年に一度の統一地方選(統一度は30%程度)前半戦が4月9日、投開票日を迎えました。内容は9知事選、6政令市長選、41道府県議会選、17政令市議選です。
知事選においては、与野党対決となった北海道で与党が完勝、奈良では保守分裂によって日本維新の会(維新)が漁夫の利を得ての当選などが目立ったこととして挙げられます。
まず、全国的な傾向を見ておきます。
41道府県議選では自民党が1153議席を獲得。前回議席には届きませんでしたが過半数(2260が総定数)を確保しました。過半数確保が目標でしたので、堅調な戦いぶりと言えます。
目標である過半数獲得は2015年、19年に続く3回連続です。17政令市議選では自民は改選前議席を35議席減らしています。大阪市議選の結果が背景にあります。
日本維新の会(地域政党「大阪維新の会」を含む)は大きく伸長しました。改選前57議席から124議席と倍以上になったのです。
特に大阪では、地域政党・大阪維新の会が大阪府議選(定数79)と大阪市議選(同81)のいずれでも過半数を獲得。さらに大阪以外でも躍進しました。知事選を制した奈良では改選前3議席から14議席に。兵庫は改選前4議席から21議席獲得へ、それぞれ県議会第二党に躍り出ました。
京都では改選前議席が3議席でしたが、擁立した9人全員が当選。滋賀では3人が初当選しています。和歌山では改選前1議席から3議席に増やしました。近畿以外にも広がっています。群馬、埼玉、香川など13道県の議会では初議席を確保しています。
立憲民主党(立憲)は存在感を示せず、日本共産党(共産)は改選前議席に届かず大きく後退しました。
共産は空白県が5県に拡大(新潟、福井、静岡、福岡、熊本)し、新潟では公認候補2人が敗れています。公認候補の当選者数は前回選の99人から75人と大きく落ち込みました。
当選者数を見れば、埼玉、神奈川、京都、兵庫、奈良、和歌山で3人ずつ減少。小池書記局長は、今回の結果と党員除名(松竹伸幸、鈴木元氏)との関係について「選挙全体に影響を与えたとは思っていない」と述べて関連を否定しています。
立憲は、道府県議選、政令市議選共に目立った伸びはありません。道府議選では選挙前からのほぼ横ばいの185議席でした。
4年前の118人と比べると多いのですが、当時は旧国民民主党との合流前で、単純比較ができない背景があります。
しかし立憲は、知事選で唯一独自候補を立てた北海道知事選で大敗しました。かつて北海道は「民主王国」と呼ばれ、野党の地盤が強いといわれていただけに党幹部は「厳しい結果だ」と振り返っています。
さらに全体的に見て、無投票当選が目立ちました。道府県議選の4人に一人が無投票当選となっています。そして、総務省の発表によれば41.85%。同時に投開票された9知事選の46.78%と共に過去最低でした。後半戦においても維新や共産の動きを注目していきたいと思います。
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