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43とも倶楽部誕生物語 27
学力日本一を支える授業ノート

櫻井 晴信

 今話題のユニークな読書会、「43とも倶楽部」。本シリーズでは、「43とも倶楽部」がどのようにしてつくられてきたのか、その誕生の物語をお届けします。

 東成瀬小学校の授業ノートは大変工夫が凝らされています。
 45分間の授業で板書した内容をルールにのっとって記入していきます。
 ①日付 問題 予想 課題 検証 結果 まとめ 振り返りと、記入します。


▲『「学力日本一!」秋田県東成瀬村のすごい学習法』(主婦の友社)より(画像をタップすると拡大してご覧になれます)

 問題や検証などで、図形や地図などが必要なときは、先生がノートに貼りやすい大きさにカラーコピーしたものを準備します。

 この中で注目されるのが「課題」です。
 「問題」は授業の起点となり、答えは一つなのですが、「課題」は問題を解決するために必要な公式や考え方を知ることです。
 これさえ分かれば、同じような問題が出てきたときにも応用ができます。

 この「課題」を探究させることを「アクティブ・ラーニング」「探究型授業」といいます。
 子供たちは見えないものが少しずつ見えてくる喜び、今まで気付かなかったことに気付く喜び、試行錯誤の醍醐味(だいごみ)、難しい課題に粘り強く挑戦することの手応えを感じます。

 人が学ぶ喜びを深く感じるのは、自らの思考の末に幅広い場面で応用できる「一般解」にたどり着いたときです。

 グループで討論する学習は子供たちの主体性を引き出し、頭で考えていることを言葉にして表現し合うことで、新たな発見や気付きが得られますが、あまり考えることなく友達の意見に賛成してしまうデメリットもあります。

 そのため、考える時間を必ず取って、ノートに自分の考えを書かせてから、ペアやグループで討論し合うようにしています。

 正しい答えが出たら、次に「課題」で挙げられた疑問に対して答えるのが「まとめ」です。
 そして最後に「振り返り」をして、自分が分かったこと、これからどうしたいかなどを記入します。こうすることで、家に帰ってノートを見た時、授業の復習が容易となります。

 よく「魚を与えるより、魚の取り方を教えるのが大事」といわれます。
 問題の答えを暗記するのも学習ですが、それだけでは社会で生きるための力は養えません。
 得た知識をいかに活用するか。学習の喜びを味わうことができるのが、学力日本一を支える授業ノートです。(続く)