2023.03.31 05:00
家庭教育局だより 7
二世の社会結婚に向き合う①
解説「2020特別祝福式」
渡邊永二 家庭教育局祝福教育部部長
2020年10月10日午後2時から、清心(チョンシㇺ)平和ワールドセンター(現・HJグローバルアートセンター)を主会場として、「2020特別祝福式」が挙行されました。この祝福式では、同時に社会結婚をしたカップルに対する恩赦も行われました。そこで今回は、「二世の社会結婚に向き合う」と題して、家庭教育局祝福教育部の渡邊永二次長(当時/現在は祝福教育部部長)に、具体的な事例を挙げながら解説していただきます。(『祝福家庭』2020年冬季号より転載)
◆「2020特別祝福式」の恩恵
過ちを清算し、祝福家庭として新しい出発をすることが許される
今回の「2020特別祝福式」の大きな特徴は、祝福式と同時に恩赦も行われたことです。
これまでも真の父母様は、摂理的に重要な時に合わせて恩赦を行ってくださいました。ここ数年の間でも、2013年、2016年、そして今回の2020年と、3から4年の周期で行われています。
恩赦を受けることで私たちの過去の過ちは全て整理されます。それは、かつては赦(ゆる)しの道がないとまで言われていた祝福子女の血統問題をも清算し、さらには、祝福によらない結婚(社会結婚)をした二世も祝福家庭に復帰されるのです。
このたび、日本でも66か所を中継でつなぎ、372人が天から祝福を授かりました。そして、372人のうち211人が社会結婚をした二世(相手は一世)でした。
◆二世の環境を心配されたお父様
「荒漠たるサタン世界に生きる子女たちと一緒に暮らしてあげたい」
信仰の継承は簡単ではなく、子女が教会につながらないことに対して悩みを抱えている祝福家庭は少なくありません。ましてや恋愛をし、社会結婚をしてしまったとなると、さらに事態は深刻です。親として子女に信仰を相続させることができなかったと、自身を責めたくなるでしょう。しかし、この問題の原因を「本人に信仰がないから」「親子関係が悪いから」と単純に結論づけることはできません。
このことは祝福準備修練会で行われる告白面接の現場で特に強く感じます。一生懸命に教会活動を行っている、一見、模範的な二世であっても、人知れず愛と性の悩みを抱えています。さらには親子関係が良いからこそ、このことを父母にも打ち明けられず苦しい心を持ち続けているのです。
さらに日本社会は信仰者に優しくありません。信仰を持っているだけで好奇な目が向けられます。そのような社会に、二世たちは幼い頃からさらされているのです。信仰生活や良好な親子関係だけでは、超えることのできない環境的な試練が幼い祝福子女を容赦なく襲っているということを、私たちは常に心に置いておかなければならないのです。
2010年3月7日、韓国・天福宮での礼拝で西北東京鮮鶴合唱団の二世たちが真の父母様に合唱を捧げた際、真のお父様が二世たちに向かって次のように語られました。
「この子女たちを誰が育て、誰が教育しますか。この荒漠たるサタン世界で。このような子女たちを見ると、私が青年になって、一緒に暮らしてあげたいのです。私が火のごとく燃え、狂ったように……。この子女たちに、そのような一かけらの時間でも見せてあげられる時代を失ってしまった恨(ハン)を抱いて生きていることを、皆さんは忘れないでください」
“荒漠たるサタン世界”のような厳しい環境に、幼い二世を送り出さなければならない天の父母様(神様)のご心境はいかばかりでしょうか。私たちも真の父母様のように、「共に過ごしたい、守ってあげたい」という愛の思いを常に持たなければなりません。
信仰に悩み、たとえ教会を否定するような立場に二世がいたとしても、それを他人事のように線を引いてしまうのではなく、“わが子が苦しんでいる”と、父母の心情に立ち、全ての二世圏に接していかなければならないのです。
◆二世の社会結婚問題
父母、兄弟姉妹、教会スタッフが共に寄り添う心情で取り組む
このたびの祝福(2020特別祝福式)で、多くの父母が社会結婚をした子女を祝福に導きました。また、その背後には教会スタッフや二世の兄弟姉妹の投入もありました。
今までは社会結婚をした二世のケースや証しが、公になる機会はそう多くなかったと思います。それはどこまでも「自由に恋愛をしても、結局最後に祝福を受ければいいんだ」と受け取られることを避けるためでした。
しかし、実際に社会結婚した子女を祝福に導いた家庭から寄せられた証しを見れば、そんなに簡単なことではないことが分かります。子女も苦しみ、父母も苦しみ、その中でも徐々に心を合わせる中で、その一致点に神が働き、奇跡的に恩赦に導かれているのです。
今回はそのような証しから3つのケースを紹介します。今なお、子女の社会結婚問題で悩んでいる祝福家庭にとって大きな励ましになれば幸いです。
(続く)
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