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家庭教育局だより 8
二世の社会結婚に向き合う②
子女の思いを受け止める

渡邊永二 家庭教育局祝福教育部部長

 2020年1010日午後2時から、清心(チョンシㇺ)平和ワールドセンター(現・HJグローバルアートセンター)を主会場として、「2020特別祝福式」が挙行されました。この祝福式では、同時に社会結婚をしたカップルに対する恩赦も行われました。そこで今回は、「二世の社会結婚に向き合う」と題して、家庭教育局祝福教育部の渡邊永二次長(当時/現在は祝福教育部部長)に、具体的な事例を挙げながら解説していただきます。(『祝福家庭』2020年冬季号より転載)


▲真の父母様の主管のもとで挙行された「2020特別祝福式」

 以下に紹介するケースは、本部に寄せられた証しに、匿名を守るための修正を加えています。

事例1
子女の思いをしっかり受け止める

 まず紹介するのはSさん(6000双、母親)のケースです。

 Sさん家庭の長女は祝福準備修練会に参加し、父母マッチングのプロセスに乗って交流にまで進みましたが、難しくなってしまいました。その後、長女から「当分は祝福のことは考えたくない」と言われます。Sさんとしても、まだ若いし祝福を焦る年齢ではないと考え、それ以降、長女と祝福について話をするのは控えていました。

 しかし、その後、突然長女から「つき合っている人がいる。その人と会ってほしい」という告白があったのです。

 子女が祝福を受けることに対して何の疑いも持っていなかったSさんにとって、突然の長女の告白はあまりにも衝撃的で、目の前が真っ暗になりました。当然、その事実を受け入れることができず、その後の親子関係もぎくしゃくしてしまいました。

 このままではいけないと思いながらも、解決の糸口が見えないまま月日が過ぎていきます。何とかしなければと、祈る思いで所属教会の教会長に相談しました。

 すると教会長から、「子女がそのような告白をするときは、覚悟を決めているのですから、まずは親として受け止めてあげなければなりません。結婚を許可する、しない、以前に、親がまずは受け止めてあげなければ、子女の行く道がふさがってしまいますよ」とアドバイスを受けました。

 それを聞いたSさんは、「子女と向き合わなかったのは、自分がこれ以上傷つきたくないという思いからではなかったか。いちばん苦しんでいるのは子女ではないか。自分はただ苦しみから逃れようとしていただけではないのか」と気づいたのです。

 こうしてSさんは子女と向き合います。そこで初めてSさんも、子女の心の苦しみを知ったといいます。長女は、親の願いを知りながらも恋愛関係になり、結婚まで考える仲に発展してしまったこと。それでも信仰を捨てることはできずに良心の呵責(かしゃく)を感じながらも、分別できず、長く苦しんできたことを、涙ながらに告白してきました。そんな娘をSさんは、ただただ優しく抱きしめることしかできませんでした。

 そして、「いつになるか分からないけど、恩赦の祝福を受けてほしい。そのためにも相手もみ言を学んでほしい」と伝えたのです。長女は静かにうなずいたそうです。

 その後、Sさんは相手の男性と会い、家庭連合の信仰を持っていること、み言を学んで祝福を受けてほしい旨を伝えました。

 すると相手の男性もそれに応じ、週に1回、教会で統一原理を学び始めました。そして、このたびの祝福式に参加したのです。

 Sさんの証しの大切なポイントは、「子女の思いをしっかり受け止めた」という点ではないでしょうか。「恋愛はいけない、到底認められない」という姿勢は子女、父母共に絶対的に必要です。決して、恋愛にまで寛容になれ、というわけではありません。

 しかし、もし子女がそのことを父母に告白してきた場合、「そうなってしまった理由」があり、同時に「覚悟を決めて父母に告白した理由」があるのです。それを父母が受け止めなければ、誰が受け止めるのでしょうか。

 子女からの告白は時に父母として痛みを伴うこともあります。別のケースで、「お父さん、お母さんの姿を見て祝福に希望を持てなかった」「今まで私の思いを一度も受け止めてくれなかった」などと、子女から言われた父母もいました。しかしそれを聞いた父母は、「今まで耳をふさいできた、子女の真実の思いだ」と受け止め、親としての在り方を心から反省したといいます。

 そのようなことを繰り返しながら、子女との心情の一致点が見えてきて、恩赦の祝福に導くことができた、という証しもありました。

(続く)

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