2023.03.29 05:00
家庭教育局だより 5
血統の重要性③
真の愛を育んで神様の血統の実体化を
松山平男 家庭教育局長
今回は、祝福家庭に与えられた神様の血統の重要性と、それをいかにして守っていくべきかについて、松山平男局長に解説していただきます。(『祝福家庭』2022年春季号より転載)
夫婦が本来の姿を取り戻す「人類再創造」の舞台が祝福家庭
世の中にどんなに仲の良い夫婦がいたとしても、神様がその夫婦の愛の中に共に住むことができなければ、神様が喜びを得ることはできません。神様の血統を頂いた祝福家庭だけが、神様の喜びの対象になりうるのです。だからこそ逆に、祝福家庭の夫婦がいさかいをしたり、冷たい関係であったりした場合、神様の痛みはどれほど深くなるでしょうか。
愛でさかさまになってしまった男女の関係が本来の姿を取り戻していく「人類再創造」の舞台こそ、私たち祝福家庭です。それは夫婦のみならず、失われた本然の親子関係、もつれてきた嫁姑(よめしゅうとめ)関係、葛藤の場になりやすかった親戚や氏族との関係も同様です。
私たち祝福家庭は全人類を代表して蕩減を背負い、先駆けて祝福の道を切り拓(ひら)く使命を与えられている群れです。祝福を受けることがゴールなのではなく、むしろ、そこから、夫婦、家庭ごとの課題、困難を乗り越え、愛の痛みに耐え、真の愛の世界を取り戻していく歩みが始まるのです。私たちは、何代をかけてでも本然の姿、本然の世界に戻っていかなければならないのです。
私たちは、「生命より重要な真の愛は、真の血統から始まる」と学びました。それは、「真の血統から本然の真の愛を引き出す道がある」ということを意味していると思うのですが、これは簡単なことではありません。私たちは、真の愛の器をまだ備えていない状態で、真の生命である祝福の子女を賜りました。ですから、まだ真の血統を連結する道程の途上にあるということです。
血統を守るということは、夫婦のみならず、子女がその血統を大切に保存し、祝福を受け、さらに何代にもわたって愛の過ちを起こさず、神様との心情の関係、信仰を相続していくということです。
しかし、ただ単に、子女に世の中の恋愛や男女の関係を戒め、純潔を守らせるという姿勢だけでは、その本質を相続させることは難しいかもしれません。私たちが本当にこの血統を子孫万代に残そうとするならば、対話を通じて子女と心を通わせ、お互いの考え方や価値観を理解し、歩み寄り、共有することが大切です。そのうえで、神様の愛、み言の貴さを共に感じられるような親子関係を結ぶことが、血統を守ることにつながるのです。
そのためには、親である自分自身にそのような価値観が実感として確立されているか、神様、真の父母様との親子の心情因縁が深く結ばれているかということを、もう一度真摯に振り返る必要があるでしょう。また、自分にとって、神様の血統を賜ったことがどんな意味や価値をもってそこにあるのかを見詰め直すことも必要ではないでしょうか。
人間始祖の堕落の経路を正確に元返しするのが一世の祝福
神様の血統を受け入れ、またそれに至る道のりにおいて、一世と二世以降(以下、二世)には違いがあります。
祝福を受ける一連の過程を通じて、特に一世においては、罪深い人類の中から神様の子女として生まれ変わる道を具体的に通過します。エデンの園で失われた神様の血統が、正確に正反対の経路を通じて元返されるのです。
エデンの園において、神様のもとでアダムとエバは婚約中でしたが、エバがルーシェル(サタン)と性関係を結び、偽りの愛で一体となってしまいました。さらにそのエバが、サタンを中心にアダムと愛の関係を結んで夫婦になることで、ふたりは霊肉共にサタンにより生み出された立場に立ってしまったのです。その結果、神様の血統が失われました。
ですから、一世の祝福においては、サタンの圏内で約婚した立場のふたりが、聖酒式を通じて、まず女性が真の父母様、ここでは特に真のお父様と霊的に一体化した立場に立ちます。そして祝福後に、三日行事を通して、夫婦が愛の関係を通じて霊肉共に神様の子女として生まれ変わる、という段階を歩むのです。
このように一世の祝福は、過った歴史の始まりを具体的に転換し、愛と生命と血統を元返し、生み変える奇跡の役事なのです。
真の父母様のみ言より
血統の重要性は、いくら強調してもしすぎることはないことを、皆様も肝に銘じなければなりません。血統がなければ、生命はもちろん、愛も離れてしまいます。血統が残ってこそ、愛した自分の伝統が残され、血統が存続してこそ、父母の息遣いが継続していくのです。言い換えれば、父母に愛の実、生命の実、血統の実、そしてすべての喜びの実を提供する最初で最後の必要十分条件は、真の血統であることをはっきりと知らなければなりません。
(天一国経典『天聖経』13・1・1・7)
(続く)
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