FSコーチング講座 111
FSコーチングとロゴスの二性性相

ファミリーサポートコーチング講座

　「ファミリーサポート（FS）コーチング講座」は、文字どおり、より良い家族関係や人間関係を実現するために読者の皆さまをサポートするコーチング講座です。
　毎週月曜日配信予定です。皆さまの家庭生活、信仰生活、社会生活にぜひお役立てください。

第111回 FSコーチングとロゴスの二性性相～理性（自由性）と法則（必然性）

ナビゲーター：西森 響
監修：阿部 美樹（伝道教育局）

　統一思想では、「ロゴス」とは神の「思考」「構想」「計画」を意味し、理性と法則という「理法」という意味でもあります。

　理性は、内的性相の知的機能に属し、自由性を持った思考力であり、知的能力です。そしてもう一つの側面である法則は、自由性や目的性が排除された純粋な機械性、必然性だけを持ちます。

　内的性相と内的形状が一定の目的を中心として統一されている「二性性相」であるように、ロゴスの理性と法則も二律背反の関係ではなく統一の関係と見ます。（参照：『統一思想要綱』原相論（二）神性（2）ロゴス59～60ページ）

　「自由性」と「規則性」の関係を考察する事例を紹介しましょう。

　例えば、浜辺に打ち寄せる波はある一定の周期の「規則性」を繰り返しますが、その波の形状は変化に富み「自由性」があります。そしてその波が作り出す音は、私たちの心に落ち着きや癒やしを与えてくれます。

　植物は種から始まり、芽が出て花が咲き、実りを得て種を残すという「規則性」があります。
　一方、花の色や形や大きさは微妙に異なり「自由性」があり、決して同じ花はありません。

　動物や人間においても、体は必然的に成長する「規則性」がありますが、その個体を見れば同一のものはなく、「自由性」に満ちています。
　このように、神が創造した自然界は自由と規則がバランスよく調和統一された世界です。この調和が、私たちに美の感動を与えてくれます。

　FSコーチングにおいては、「神様との出会い体験」などの喜びの心情（陽の感情）を味わいます。
　その後に、その神様と共に自然界に出かける心的情景（イメージ）を心に描きます。

　これは神様のロゴスとクライアントの性相部分のロゴスが調和された世界と考えます。
　コーチングを通じてクライアントは自由にその世界を往来し、安心と安全を感じられる状況において、神様の愛に満たされた体感を得られます。

　ここで大切なことは、「自由性」が主体であり「規則性」が対象であるという点です。心情や目的を中心として、全ては自由性から始まります。

　普段の生活では「自由」と「規則」のどちらを優先しているでしょうか。
　成長の初期段階（幼い時）は「〇〇すべき」とか「〇〇すべきでない」と規範や規律を強く教えられます。

　自由気ままに生きてはいけないとしつけられますが、この段階では法則性や決まり事、ルールを主体として生活しているといえます。しかし、本来の関係性は「自由性」が主体です。

　論語において孔子は、70歳で到達した境地を「心の欲するところに従えども矩（のり）を踰（こ）えず」と表現しました。
　これはまさに、ロゴスにおける理性（自由性）と法則（必然性）の統一的関係性を表しており、孔子は自由の本来の意味を悟ったといえるのかもしれません。

　神の心情とは、愛で「喜びたい」「喜ばせたい」という衝動です。このような心情で自由に生きたいのが本当の人間の姿です。
　FSコーチングはこのようなクライアントの心の自由性を引き出しながら、良心を中心としてありのままに生きるように支援します。

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　次回は、責任者コーチング講座に参加した50代女性の感想をお届けします。

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