2023.03.10 12:00
スマホで立ち読み Vol.20
『要約 統一思想・勝共理論』20
統一思想研究院・編著
スマホで立ち読み第20弾、『要約 統一思想・勝共理論』を毎週金曜日(予定)にお届けします。
膨大な内容で構成されている統一思想と勝共理論を、分かりやすく要約しました。統一思想で神について学び、勝共理論で神の存在を否定する共産思想の間違いについて学びます。
---
第二部 勝共理論
第三章 弁証法の批判とその代案
三 弁証法の代案
マルクス、エンゲルス、レーニンは自然界の弁証法的発展の実例を列挙できなかった。ここに卵の孵化(ふか)現象を例にとって唯物弁証法の誤りを指摘しその代案を提示する。卵の孵化現象がその適切な例になるからである。
卵の孵化とは、胚が黄身、白身を摂取してひよこに成長し、卵の殻を破って出てくる現象をいう。共産主義者たちは当然この孵化過程を弁証法的発展の過程であると主張する。すなわち「正」の立場である卵(黄身、白身、殻)に対して胚が「反」になり、「正」である黄身、白身と戦って勝利したのちに、再び殻と戦ってこれを破って出てきて、ひよこ(合)になると見るのである。しかし孵化が弁証法的過程(すなわち闘争の過程)であるならば、卵の中の胚とその他の要素の間に利害関係が相反しなければならず、目的が相反しなければならない。利害関係や目的が一致するところには決して闘争はありえないからである。しかしながら胚や黄身、白身、殻は、みなひよこの形成のためにあることを否定できない。胚はひよこの根源であり、黄身、白身は胚の養分になるものであり、殻は胚が成長する間、それを保護するためにある。卵の中のすべての要素はひよこという共通目的のためにあり、したがって利害関係は完全に一致するのである。そこには闘争はありえず、調和と協調のみがあり、共同で一つの新生体をつくるのである。種からの発芽も同様である。胚芽、胚乳、外皮などの調和的な協調によって、すなわち相対物の調和のある授受作用によって発芽するのである。このような法則を「授受法」と呼ぶ。宇宙内のすべての発展(歴史の発展まで含めて)は授受法によるものである。歴史の発展だけは闘争によるものと見る人々が多いが、それは発展と復帰を混同したことによる錯覚(さっかく)である。
この授受法がまさに弁証法の代案である。今日まで、弁証法が正しいと考えていた多くの知性人たちに、自然界には弁証法を認めるような事例は一つもないこと、したがって弁証法は闘争と人間の殺戮(さつりく)を合理化するために捏造(ねつぞう)された似非(えせ)哲学であるということ、人々が弁証法を認める限り、闘争は永続され、恒久平和は決して実現されないこと、真なる発展法則は授受法であること、したがって人間の殺戮はむしろ自然法則にそむく重大な犯罪行為であるということなどを正しく知らしめることによって、彼らを共産主義の魔手から救い出し、保護することができるのである。弁証法の代案としての授受法を図で表示すると、次の図25のようになる。
「第二部 勝共理論」の第四章以降は以下のような内容となります。
・第四章 唯物史観の批判とその代案
・第五章『資本論』の批判とその代案
・第六章 マルクスの人間疎外論
---
「スマホで立ち読み」での連載は、今回が最終回となります。ご愛読ありがとうございます。続きは、ぜひ書籍でご覧ください。