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家族の絆づくり 257
人生を深める三つの読書

ナビゲーター:阿部 美樹

「知る読書」で知識の蓄積
 一度しかない人生を有意義に過ごすために有効なのが「読書」です。
 知らないことを知ることで視野が広がり、考え方が深まり、感性を磨くことができます。

 「人との出会いで人生は決まる」ともいわれますが、出会いたくても出会えない人は多くいます。
 遠くに住んでいるので会えない、近くに住んでいたとしても機会がない、すでに亡くなっているので会えないなど、さまざまな事情で出会うことは難しいものです。

 しかし、尊敬する人が書いた本や、そのような人を紹介する本を読むことで、時空を超越してその人の生い立ちや業績、考え方に触れることができます。

 そこで大切になるのは「読み方」です。基本的には、三つの読み方があります。
 「目で読む」「頭で読む」「心で読む」という3段階です。

 第1段階の「目で読む」とは、目で活字を読んで「知る読書」です。
 それは「情報や知識を得る」という目的で読むことです。新聞の記事やインターネットでのニュースを読むときなどは、サラッと情報に触れるという読書でしょう。

 知らないことを知ったときは、「なるほど」「そうなんだ」と知識や情報を得る喜びがあります。より広く知ることができれば、何かを判断するときの基準や根拠になることもあります。


「考える読書」「感じる読書」で自分を高める
 第2段階の「頭で読む」とは、内容を考察しながら理解を深める「考える読書」です。
 著者の立場に立って考えながら読む、過去の経験や考え方と比べながら読む、自分との共通点や相違点を探しながら読む、本当だろうかと疑問を持ちながら読むなど、頭を使いながら読むことです。これは、能動的に関わりながら読む姿勢です。

 第3段階の「心で読む」とは、内容に共感したり、感動したり、喜んだりする「感じる読書」です。
 読みながら気付いたこと、驚いたこと、共感したこと、感動したことなど、心が動かされたことを意識して感性を高めて読むことです。
 知ったことや考えたこと以上に、感じたことは価値観を変えたり、生きる意欲を高めたりするなど、人生に大きな影響を与えます。

 目と頭と心を使って、読書を楽しみましょう。