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新 堕落性の構造 68

 現代人に不幸を招来する「心のゆがみ」。そんな悩みの尽きないテーマをズバッと解説! 人間堕落の根源からその原因を究明している一冊です。毎週木曜日配信(予定)でお届けします。

阿部 正寿・著

(光言社・刊『こう解ける! 人生問題~新 堕落性の構造』より)

19. 視野の狭さは自己中心から

◉物事を深く考えない日本人
 私が英国滞在中に、訪ねてきた日本人の共通する質問にウンザリしたことがあります。それは「今でもロンドンには霧がありますか」という紋切り型の質問でした。

 私は「あれは100年前に石炭を暖房用に燃やしていたころのもので、今では霧はほとんどありませんよ」と答えたものです。事実、私が滞在した十数年間に霧を経験した覚えはありません。

 いったい何が、このように日本人を紋切り型の思考パターンにしてしまうのでしょうか。

 蛇足ですが、多くの日本人が英国人男性は紳士だと思い込んでいますが、これも実に皮相的な見方で、こんな単細胞的な発想をするものですから、あこがれを抱いてやって来た日本の乙女たちが英国の“紳士”にヤスヤスとだまされて泣く人が多いのです。それを世界的に拡大するともっと深刻な問題になります。

 戦後50年、日本は平和国家を標榜してきました。しかし世界情勢は日本に国際貢献を迫りました。やっとのことPKO(国連平和維持活動)法が成立し、自衛隊が海外派遣されるようになりました。しかし戦乱に巻き込まれる現地派遣部隊が、たった一丁の機関銃を携行するのに総理大臣の決断が必要でした。また不幸にも戦闘に巻き込まれた場合、隊員は武器で応戦することが認められておらず、対応は各隊員の自主的判断によらなければならないということです。

 このように、いざというときに戦うことができないのです。平和ボケといわれるわけです。

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 次回は、「神を愛さず自分を愛する」をお届けします。


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