https://www.kogensha.jp/shop/detail.php?id=4142

青少年事情と教育を考える 220
増加する不登校に三つの対策

ナビゲーター:中田 孝誠

 現在の学校教育の大きな問題の一つが、不登校児童生徒が増加していることです。

 文部科学省のまとめによると、2021年度の小中学校の不登校児童生徒数は24万4940人で、過去最多を更新、9年連続の増加となりました。前年度(19万6127人)から5万人近く増えたことになります。児童生徒1000人当たりでは、小学校13.0人、中学校50.0人です。

 不登校の主な要因としては、「無気力・不安」(49.7%)、「親子の関わり方」(13.2%)、「生活リズムの乱れ、あそび、非行」(13.1%)などが挙がっていますが、もちろんさまざまな要因が関連していると思われます。

 こうした不登校児童生徒の増加に対して、永岡桂子文部科学大臣は総合的な政策を今年度内にまとめる方針を打ち出しています。

 その柱の一つが、「不登校特例校」の設置促進です。具体的には今後5年間に全都道府県と政令市に1校以上、さらに全国に300校を設置して、全ての不登校の児童生徒が支援を受けられるようにするという目標を掲げています。

 二つ目が、1人1台のタブレット端末を活用して、子供たちの毎日の心身の健康を把握して不登校の兆候を早期発見し、早期支援するというものです。

 三つ目が、全ての児童生徒が安心して学べる学校づくりです。
 安心して学べる学校づくり、言い換えると良き学校文化を築いて、予防的な不登校対策につなげていくというわけです。

 そうした学校づくりのために何が必要かは必ずしも明らかにされていませんが、子供たちの感情コントロールや社会性、回復力を育てる教育が必要になるでしょう。専門家からもそうした指摘がなされています。

 今後に期待したいところです。