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スマホで立ち読み Vol.22
『日はまた昇る 蘇る日本』1

統一思想研究院・編著

(光言社・『日はまた昇る 蘇る日本』〈2012101日初版発行〉より)

 スマホで立ち読み第22弾、『日はまた昇る 蘇る日本』を毎週水曜日(予定)にお届けします。
 1960年代から80年代にかけて日本と世界の共産化の危機を救ったのは、文鮮明(ムン・ソンミョン)総裁の勝共運動だった! 本書では文総裁の歩みを紹介し、共産主義の理論の批判と代案を提示するとともに統一思想の観点から見た日本再生のビジョンを提唱します。

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まえがき

 今年、2012年、世界は大変動を迎えています。日本もバブル崩壊以後、「失われた20年」と言われる長期の停滞から抜け出せないまま、経済のみならず、政治、教育、倫理、道徳など、あらゆる面で深刻な崩壊状況にあります。特に、昨年(2011年)の東日本大震災と原発事故により、日本は経済的に大きな打撃を受けました。そして今、尖閣列島の奪取を目指す中国の覇権主義の脅威にさらされています。

 さらに最近の竹島領有問題に端を発した日韓の軋轢により、中国の覇権主義、ロシアの強権に対処していかなくてはならない日韓米の一体化が大きく揺らいでいます。このような状況において、偏狭なナショナリズムを越えた、人類愛に基づく天からのビジョンとリーダーシップが必要であります。

 本書は、1960年代から80年代にかけて、日本と世界が共産化の危機にあったこと、そしてその危機を救ったのが文鮮明師の勝共運動であり、その理念であった統一思想であったことを証すべく、出版した次第です。文師は共産主義を「人類の敵」であり、「神の敵」であると宣言されましたが、文師の勝共運動は共産主義者を倒す運動ではありませんでした。共産主義者をも悪なる道から解放し、正しい道へと導こうとするもの、すなわち共産主義者をも救おうとするものでした。それゆえ、ゴルバチョフ大統領、金日成主席と歴史的な会談まで実現したのです。

 なお本書は、日本統一思想研究院(1972101日創立)の創立40周年記念出版として準備していたものでありますが、その間、201293日早朝、文師が93歳で聖和(逝去)されました。謹んでご冥福をお祈りし、本書をお捧げいたします。文師がその生涯で、神のもとでの人類一家族の世界平和の理想に向かってなされた業績は、やがて世界が認めるようになるでしょう。

 文師は日本が韓国を支配していた時代に、愛国運動に参加したというかどで日本の警察から筆舌に尽くし難い拷問を受けましたが、過去の恨みを忘れて、怨讐であった日本を、韓国人の誰よりも愛して、日本が韓国と共に、神の理想世界実現のための中心的使命を果たす国となって、世界に輝く国となることを願われました。日本では、文師と統一運動に対して賛否両論があるのも事実ですが、本書を通じて、心ある日本の各界の皆様が、文師の真実を理解してくださるように願ってやみません。

2012年101
日本統一思想研究院院長 小山田秀生


 19世紀に、西洋社会において、神を否定する強力な無神論、唯物論思想が生まれ、あっという間に、燎原(りょうげん)の火のように全世界を覆っていきました。1859年はその象徴的な年でした。すなわちカール・マルクスが『経済学批判』を著し、唯物弁証法に基づいて唯物史観の公式を提示すると同時に、後に『資本論』として体系化されるマルクス主義経済学の骨子を発表したのです。マルクス主義は神の存在を根底から否定するものでした。その同じ年に、チャールズ・ダーウィンが『種の起源』を著し、キリスト教の創造論を否定し、生物および人間は弱肉強食の生存競争を通じて進化したものであると主張しました。

 中世から18世紀に至るまで、西洋社会において、キリスト教は絶対的な指導的精神であり、人々は無条件に神とキリストを信じ、教会の教えを従順に受け入れていました。14世紀から16世紀に台頭したルネサンスは、中世の束縛から人間の精神を解放しようという運動でしたが、人々の神への信仰は揺るぎないままでした。18世紀の啓蒙思想において、無神論と唯物論が展開されましたが、それはキリスト教精神を揺るがすまでには至りませんでした。しかし、19世紀の無神論・唯物論はキリスト教精神を根底から揺るがすものであり、西洋社会のみならず、全世界を覆いつくす勢いで広がっていったのです。

 カール・マルクスによって築かれた暴力革命の共産主義思想は、20世紀に至り、レーニンの指導するボルシェビキ革命として実を結び、地上に初めての共産主義国家ソ連が誕生しました。ソ連は宗教の根絶を公然と宣言する悪の帝国でした。そして歴史上、最大の独裁者であるスターリンのもとで、ソ連帝国は世界共産化を目指し、全世界を震撼とさせていきました。そして第二次世界大戦の終了とともに、共産主義は東ヨーロッパとアジアに広がり、まさに世界を飲み尽くそうとする勢いになったのです。

 それではなぜ、世界的に影響を及ぼす無神論・唯物論が19世紀に生まれたのでしょうか。それは神の摂理から見るとき、20世紀が終末の時代であったからです。すなわち、20世紀を超えて、21世紀から新しい時代――新しい天と地――が始まるのであり、そのことを知っていた、この世の神であるサタン(悪魔)が、永遠に世界を支配し続けたいという野望のもとに、神の摂理を妨害するために、あらかじめ19世紀に世界的に茨の種をまき、世界を覆い尽くすようにせしめたのです。すなわち、マルクス、ダーウィンの背後から、彼らを操って、彼らが強力な無神論と唯物論を構築するように導いたのです。

 かくして20世紀は神を否定する精神が世界を覆う世紀となりました。しかし、一方で暗い力を退けて、愛と真理の理想世界を実現しようとする、新しい神の摂理が始まりました。そして、20世紀後半から21世紀にかけて、神を否定するサタン側の思想と、それに対抗する神側の思想が激しく対決する時代となったのです。

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 次回は、「天一国時代の到来」をお届けします。お楽しみに!



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