2023.02.04 17:00
霊界の実相と地上生活(74)
楽園の構造
36家庭の李相軒(イ・サンホン)先生(1914~1997)が霊界のさまざまな事実を証しされたメッセージ、「霊界の実相と地上生活【霊界の様相編】」を毎週土曜日配信(予定)でお届けします。
世界平和統一家庭連合
第三部 天上の秘密
第二章 楽園の世界
一 楽園の構造
私たちは「楽園」というものを考えるとき、地獄よりも大変平和で、安定した所のように感じます。皆さんは、「楽園」という名称は、いったい誰がつけたのか、神様が人間のために楽園を創造されたのか、楽園の構造はどのようになっているのかなど、気に掛かることでしょう。
端的に言って、そこは神様が創造された所ではありません。神様はすべての人が、御自身と共に1カ所に住むように願われましたが、地上人は様々な次元の時代的・文化的背景の違いによって、その人生の姿が異なるようになったのです。これによって、神様の前に直接出られない霊人が現れるようになったのです。したがって楽園とは、そのような霊人たちが神様の前に出ていくために、一定期間待機する待合室なのです。
そこには、いろいろな種類のグループや団体があって、宗教においても様々な教団に分かれています。地上人には朝夕通勤する職場があり、家族の集まる家族単位が別々にあり、出勤や退社する時間があり、活動する時間があり、日曜日に教会に行く時間があり、余暇を送る時間が別にあります。この楽園の生活も、地上のそれと似ています。
では、楽園の霊人たちの姿はどうなのでしょうか。いつかいろいろな側面から、霊界の実相を明らかにしたことがあるように、上流層においては、すべてが心で思うと同時になされるようになっています。これが上流層の霊界の実相です。しかしこの楽園は、上流層とは異なり、心で決めたとおりにすべてがなされる所ではありません。
それゆえ、楽園では地上のように出勤して退社する姿とは違いますが、自分たちの適性や趣味に合わせて、グループ同士で働く職場があちこちに散在しており、家族単位で共同体を形成して暮らす姿も地上と似ています。では、地上と異なる点とは何でしょうか。楽園にとどまっている大部分の霊人たちは、自分の霊人体だけが生活しているという事実を知っており、いつか楽園の世界から神様のいらっしゃる天国に移っていくべきである、というはっきりとした目的を持っています。したがって、ここのすべての生活は、地獄とは画然異なります。彼らは、神様のもとに行かなければならないという願いを持って生きるので、より価値ある人生を営むために共に協助し、より善良に生きようと常に努力しています。そこが天国ではないとしても、すべての活動において、彼らは相当肯定的で明るい姿で生きていきます。
ここを大きく分類すると、上流層、中流層、下流層に区分することができます。そして、宗教の教派においても、教派ごとに組織が異なっています。また、ここで生活する霊人たちは、自分が地上にいるのか霊界にいるのか、区別できない人もいますが、時間がたつに従って自分の位相を知るようになります。そして、ここの大部分の霊人たちは、互いに親しく付き合い、他の霊人たちとたやすく友となって暮らしていきます。楽園では、誰でも職場をたやすく求めることができます。しかし、部分的に職場を求めるには若干の困難がある場合もないわけではありませんが、地上のように探しにくく、さまようことはありません。互いに協力し合いながら、職場を紹介し、ある職場が嫌ならばほかに移ることもたやすくできます。ここは、職場探しの難しい地上の場合とは異なります。ここは、上流層、中流層、下流層によって、彼らの生活の様相が各々異なります。楽園の霊人たちは、常に余裕があり、豊かに生活します。
そして、楽園の下流層は、上流層よりも厳しいのですが、地獄とは相当に異なる明るさと希望があります。また、自分の場所で生活する環境と与件は、上流層とは比較になりませんが、地獄よりもはるかに幸福な所です。それだけではありません。人が生きていくには衣食住の問題が常について回るので、その解決のために、地上では死に至るまで衣食住の奴隷となって生きていくのです。
このように、この楽園の生活には、衣食住のための若干の活動が必要です。しかし、衣食住の問題解決の方法はそれほど難しくはありません。どのように解決するのでしょうか。自分の職場の人同士で互いに物々交換をして生きていくのです。服や食糧、さらには自分の家までも互いに分かち合って、交換しながら住んだりもするのです。では、このような物を作り出す所在地は、どこでしょうか。
実に不思議なことがあります。工場でたくさんの服を作り出すのに、様々な生地が山のように積まれていて減らないのです。そして、服を作り出す職人(霊人)たちは、常に余裕ある笑みを浮かべて働き、互いに対話を交わしながら常に平和です。実に穏やかな雰囲気です。工場に山のように積まれた生地は、いったいどこで作られたのでしょうか。それが大変気になります。ところがまた、その工場には、生地を織るための材料までが、常に山のように積まれているのです。それはまた、誰が作ったのでしょうか。最初の原産地は見えず、物は常に積まれていて減りません。そして、その材料は一定の時が来れば腐って廃棄処分しなければならないのに、腐らないのはなぜでしょうか。地上人から見るならば、まるでSF映画やおとぎ話のようでしょう。しかし、これは事実なのです。したがって、楽園の世界に入っただけでも、希望があり、活気に満ちた姿で生きていくことができ、神様に対する慕わしい思いが自然と湧いてくる所です。
(2000年10月12日)
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次回は、「楽園の組織」をお届けします。