家族の絆づくり 252
手書きメモの効果

ナビゲーター:阿部 美樹

手書きで能力アップ!
 最近はスマホやタブレットでメモを取ることが多くなりました。ノートに書くよりも、いつでもどこでも手軽に書き込めますし、情報を管理しやすいからです。

 しかし、スマホなど手軽に残したデータは頭の中に残りにくく、記憶したとしてもすぐに流れていきます。

 また、パソコンは手書きよりも入力が簡単なため、目の前の情報から注意がそれやすく、何も考えずにキーボードをたたく状態になることがあります。
 自分が入力した内容を、脳が十分に処理することができないということもあるのです。

 学習効果から見れば、実ははるかに能動的に情報を加工する「手書きメモ」の方が記憶の定着度や目標達成率が高いのです。

 深い理解を求める場合は、デジタルよりも手書きのノートが有効です。
 さらに、ポイントだけの簡単なメモを残すよりも、心に残った情報は全てノートに書き込むなど、大量の情報を書き込んだ方が学習効果は上がります。

 時には文字だけでなく、自由に落書きのようにイラストで表現して書き込むなど、ビジュアルで表現することも記憶の定着度が上がります。


メモで「セルフコーチング」をする
 ノートに書きながら自分に質問するように思考することも有効です。

 何かの講演を聞く前は「今日の講演テーマに関して知っていることは何か?」という質問に対してノートに書き込みます。

 講演中は「何を学んでいるのか?」、講演後は「今日は何を学んだのか?」などの質問を投げかけ、答えるように書き込みます。
 すると、質問することで、「講演のポイントを探す」という意識になり、能動的に情報を吸収しようとして集中力アップにつながります。

 このような自問自答形式は、「セルフコーチング」とも言えます。自分一人でありながら、質問する人と答える人に分かれることで対話するように思考を深めたり、ロードマップをイメージしたりすることができます。

 自分の考えを文字に表し視覚化することで、初めて大切なことに気付いたり、さまざまなアイデアが生まれたりすることもあるでしょう。
 また、普段からメモを残す習慣を付けると、複雑な事象や抽象的な事象も適切に言語化することができるでしょう。