https://www.kogensha.jp

新 堕落性の構造 62

 現代人に不幸を招来する「心のゆがみ」。そんな悩みの尽きないテーマをズバッと解説! 人間堕落の根源からその原因を究明している一冊です。毎週木曜日配信(予定)でお届けします。

阿部 正寿・著

(光言社・刊『こう解ける! 人生問題~新 堕落性の構造』より)

17. 自己の位置を欲しがる

◉使命を果たしてこそ愛
 天使長が堕落したのは、自分が召使という立場にいることに不満を感じ、愛の減少感を感じたことから始まりました。天使長がそれを乗り越える道は一つしかありませんでした。それは神様の目的と心情を理解し、神様と同じ立場に立ってアダムとエバを育て、仕えてあげることでした。そうすれば天使長も、神様の愛が分かるので愛の減少感など生じるはずがなかったのです。そうなれば、神様は天使長が必要とするものは何でも与えて、不満など感じることはなかったのです。

 官僚たちが官僚制の問題を克服するためには、自分たちは国民に奉仕することが使命であり、国民が幸福になることを喜びとする、というようにならなければなりません。自分たちの位置を守り、権限の拡大に熱中するなどとは、本末転倒も甚だしいといわなければなりません。それがすなわち、位置を離れた天使となり悪を犯すことになるのです。

 また、地位や名誉欲の強い人は、自分の地位や威信を守るために他の人を傷つけても平気でいる傾向があります。こういう傾向の人は、まず人を愛してあげてのち、その人たちが名誉をたたえて初めて、その名誉や地位は全うされるのです。あくまでも天使長の立場の人は、人に真心を尽くし、愛して、責任分担を果たしたのちに、自分に喜びや祝福が実ってくるのです。その喜びは自分だけで得ようとするより何倍も多いのです。そのようにして神様の愛は、万民に等しく与えられるようになっているのです。

---

 次回は、「円高は天与のチャンス?」をお届けします。


◆『新 堕落性の構造』を書籍でご覧になりたいかたはコチラ