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新 堕落性の構造 61

 現代人に不幸を招来する「心のゆがみ」。そんな悩みの尽きないテーマをズバッと解説! 人間堕落の根源からその原因を究明している一冊です。毎週木曜日配信(予定)でお届けします。

阿部 正寿・著

(光言社・刊『こう解ける! 人生問題~新 堕落性の構造』より)

17. 自己の位置を欲しがる

◉位置を欲しがる天使長
 聖書の創世記第317節によると、神はアダムとエバを創造する前に天使をつくって、召使としての位置を与えました。これに不満を抱いた天使長ルーシェルは、アダムとエバを不倫の愛によって堕落させ、自己の支配下に置いてしまいました。それ以来、人間は堕落天使の性質を受け継ぎました。したがって堕落人間、特に男性はその傾向が強いのです。

 会社に働く人たちはだれでも、昇進することを望みます。官庁に勤める人も、より高いポストにつくことを願います。それ自体が悪いことではありませんが、その位置にふさわしい責任を果たすことが重要なのです。

 官僚は、もとは皇帝に仕え、その統治を助けるのが使命でした。近代の民主主義の社会においては、国民に奉仕すべき立場です。そのゆえに、国家の公僕(こうぼく)と称されたのでした。すなわち官僚は天使長の立場に立っているのです。天使長の使命は、アダムやエバの立場に立っている国民に侍って助けてあげるのであって、上から治める立場にはないのです。

 ところが、アダムやエバが幼く無知であることをいいことに、支配する立場に立ったのです。それを許した国民の側にも責任はあります。私たちの周りにも権力を指向し、位置や立場に執着する人がいます。こういうタイプの人は、まさしく天使長の性稟(せいひん)を強くもっている人です。こういう人は、神様の愛が分からない人なのです。だから位置や地位がないと不安でいられないのです。

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 次回は、「使命を果たしてこそ愛」をお届けします。


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