家族の絆づくり 249
多忙中毒からの解放を!

ナビゲーター:阿部 美樹

忙しいは善いことか
 責任を担うリーダーたちのほとんどは、やるべきことが多く、非常に忙しいものです。
 「忙しい!」と聞くと、「活躍している人」「必要とされている人」と肯定的なイメージで捉えられがちです。
 大きな責任を担っている人は、常に時間に追われて忙しいものであるという印象があり、忙しいことを善しとする社会の風潮があるのかもしれません。

 しかし、多忙であることが本当に善いことなのでしょうか。
 それはある意味、「多忙中毒」になっている状態だとも言えます。多忙中毒になっている人は、「忙しいことは善いことだ!」「あれもこれも忙しく活動してこそ、精いっぱいやったと言えるのだ!」と思っている人です。

 本来は時間に追われたり、振り回されたりするのではなく、時間を有効に使えるように行動管理するなど、時間を主管することが大切です。
 本当に一流と言える人は、忙しいことに価値を置くのではなく、「何のために何をするのか」をしっかり選択して、「必要なこと」をしっかりできたかに意識を集中するものです。


集中力を高める方法
 そのために必要なことを二つ紹介します。
 第1は、やる事に優先順位を付けることです。
 そのときに必要なことは、「やらないということを選択する勇気を持つこと」です。

 やってみたいこと、やるべきこと、やってみようかと興味を持ったこと、やってほしいと頼まれたことなど、全てをやっていたら時間がいくらあっても足りません。
 優先順位の高いもの以外は捨てる勇気を持つことも大切です。

 第2は、集中力を高めてやることです。
 限られた時間を有効に使うために、「集中力」がポイントです。
 午前中が、集中力が高い傾向がありますので、最も大切な業務をこなすのは、午前の時間にしたいものです。

 また、集中力を持続する秘訣(ひけつ)は、疲れる前に休憩することです。
 「15分×3回学習グループ」の方が「60分学習グループ」よりも合計学習時間が短いにもかかわらず、より高い効果を上げたという研究結果があります。

 人間の集中力の持続時間には限りがあります。また、疲れ切ってしまった場合はそこから回復するために多くの休憩時間が必要になります。

 そこで参考になるのが「ポモドーロテクニック」の活用です。
 25分たったら作業を止めて5分休憩するパターンを1ポモドーロとしてこれを繰り返します。4ポモドーロ(2時間)ごとに1530分間の少し長めの休憩を取ります。
 これを実践することで、集中力、意志力を向上させ、不安な状態の緩和などの効果を上げることができます。