家族の絆づくり 22
関係性を育む言葉と動機

ナビゲーター:阿部 美樹

言葉を操る能力
 人間が動物や植物など他の生き物と大きく違う点は、「言葉を通じてのコミュニケーション」を行うことです。言葉で感情表現し、言葉で情報伝達し、言葉で思考表現するなど、人生にとって言葉は不可欠なものです。
 魅力的な人生を歩む人の共通点は、言葉を選択する能力、言葉を語る能力、さらには聞く能力、書く能力が長けています。その中でも、「どんな言葉」を選ぶかが大切です。
 「言葉遣いは心遣い」ですから、「ありがとう」という感謝の言葉、「ごめんなさい」という謝罪の言葉、「お疲れさま」という慰労の言葉、「素晴らしい」という賛美の言葉、「頑張って」という激励の言葉など、幸せを呼び込む言葉を使いましょう。

どんな動機で伝えるか?
 「どんな」言葉を使うかが大切ですが、「どのように」言葉を使うかも意識しなければなりません。言い換えれば、「どのような動機で」言葉を使うかです。例えば、「頑張って」という励ましの言葉も、思いやりと信頼の心で伝えたら「うれしい愛のメッセージ」として伝わりますが、同じ言葉でも要求と裁きと見下しの心で伝えた場合は、「つらい攻撃のメッセージ」になってしまいます。
 事実を伝えることや正しいことを伝えることは大切ですが、どのような動機で伝えるかが人間関係の良し悪しの分かれ道になります。
 愛のメッセージは「優しい笑顔」で伝え、攻撃のメッセージは「厳しい顔」で伝える傾向があります。自分自身の動機に敏感な人になり、愛を育む対話を行いましょう。