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新 堕落性の構造 57

 現代人に不幸を招来する「心のゆがみ」。そんな悩みの尽きないテーマをズバッと解説! 人間堕落の根源からその原因を究明している一冊です。毎週木曜日配信(予定)でお届けします。

阿部 正寿・著

(光言社・刊『こう解ける! 人生問題~新 堕落性の構造』より)

16. いじめの出発は愛の減少感

◉人類の始めからあるいじめ
 聖書の創世記によれば、神様がアダムの二人の息子カインとアベルに供え物をするように命じました。弟のアベルは家畜の初子(ういご)を供え、兄のカインは農産物を供えました。神様はアベルの供え物は受けましたが、カインの供え物は受け取りませんでした。これに怒ったカインは、アベルを野に呼び出して、殺してしまいました。

 なぜカインは、アベルを殺してしまったのでしょうか。カインは神様がアベルの供え物を受け入れ、自分の供え物を受け入れられなかったとき、神様はアベルを愛しているけれども自分は愛されていないと思ったのです。その恨みを晴らすためにカインはアベルを殺してしまったのです。それは天使長が、神様が自分よりアダムとエバを愛しておられると思って感じた愛の減少感と、全く同じものでした。すなわち、カインは、天使長が抱いた愛の減少感をそのまま血統的に受け継いで、それが殺人事件にまで発展したのです。

 いじめも、出発点は愛の減少感です。愛の減少感は劣等感を生み出します。劣等感はそれを補うために、優越感を見いだそうと努めます。優越感を造成するためには、自分より弱い立場にあるものを探し求めます。優越感は劣等感の裏返しです。日本人はアジアの先進国民として、他のアジア人を蔑視(べっし)する傾向があるといわれますが、それは欧米白人に対する劣等感の裏返しです。堕落人間はカインの末裔(まつえい)として、今日もいじめを行っているのです。

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 次回は、「いじめの解決の鍵は神の立場に立つこと」をお届けします。


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