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新 堕落性の構造 56

 現代人に不幸を招来する「心のゆがみ」。そんな悩みの尽きないテーマをズバッと解説! 人間堕落の根源からその原因を究明している一冊です。毎週木曜日配信(予定)でお届けします。

阿部 正寿・著

(光言社・刊『こう解ける! 人生問題~新 堕落性の構造』より)

16. いじめの出発は愛の減少感

◉いじめは不満のはけ口
 いじめは、昔から「弱い者いじめ」と言われるように、弱者をいじめるというのが通常です。ニワトリの社会には、ペッキングオーダーというのがあります。ペッキングとはつつくという意味ですが、ニワトリは強いトリが弱いトリをつつき、そのトリは自分より弱いトリをつつくという秩序があります。人間社会では、昔の封建時代に士農工商というペッキングオーダーがありました。民百姓は武士には頭が上がらないので、自分たちの中で弱い者をいじめてウサを晴らしました。村八分の始まりです。

 現在アメリカでは、白人は黒人をバカにし、黒人はあとから移民してきたスペイン系やアジア系を見下しています。これをうまく利用したのが英国人の植民地支配で、彼らはアフリカにインド人を下級官吏として連れて行き、現地アフリカ人の不満が自分たちに来ないように仕向けました。人間の堕落性を利用した支配法でした。

 このようにいじめとは、弱い者が強い者から支配や圧力を受けているときに、その不満のはけ口として自分より弱い立場にいる者に苦痛を与え、自己の不満を解消しようとする行為といえます。ある意味では社会不満のガス抜きなのです。といえば、社会全体にいじめの体質があり、特に島国である日本は皆がいじめの体質をもっているということです。

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 次回は、「人類の始めからあるいじめ」をお届けします。


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