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家族の絆づくり 246
「うつ病」にならないための心がけ

ナビゲーター:阿部 美樹

不安を感じない捉え方
 長引くコロナ禍の影響で、何らかの心の病気を抱えている人が多くなりました。心の病気の代表的なものが「うつ病」です。

 日本のうつ病の患者は120万人程度といわれますが、潜在的な患者数は400万人以上にもなります。OECD(経済協力開発機構)の2021年の調査によれば、コロナ禍の影響でうつ病、うつ状態の人の割合はそれ以前と比較して約2.2倍に増え、約6人に1人(17.3%)にも達しています。自殺率もG7の国々の中ではワーストワンという深刻な状況です。

 うつ病の症状は人それぞれ違いますが、多くの場合、強い悲しみや気分の落ち込みなど抑うつ気分や意欲や喜びの低下が現れることです。
 幸せな人生を歩む人は「意欲や喜びが高い」という特徴がありますが、その「意欲が湧かない」「喜びを感じない」ということは致命的なことです。

 大切なことは、日頃からストレスをため込まないように心がけることです。
 ストレスとは、人間関係の不安、環境の変化の不安、自分の能力や存在に対する不安などから生じます。
 不安を取り除くために、相手を変えたり、環境を変えたり、自分自身の能力を変えることは簡単ではありません。まずは、「不安を感じない捉え方」を心がけることです。


ストレスを感じたときの対処
 人間関係で「人に合わせ過ぎて疲れる」という人がいます。しかし、無理に合わせる必要はありません。人は皆個性が違うので考え方や感じ方も違います。
 違うことに敏感になるよりも、「違うのが当たり前と考える」「相手との違いを承認する」「自分の意見や感情を表現する」ことが大切です。

 仕事面で「自分でやらないといけない」と考えて業務を抱え込む人がいます。いくらやってもできない状態が続けばストレスになります。
 何事も一生懸命にやることは大切ですが、その前に「やることの優先順位を決める」ことが大切です。
 そして「やることを決める」ということは、「やらないことを決める」ことになります。その業務を人にお願いしたらどうでしょうか。
 他の人に委託することで、心も時間も余裕ができます。ストレスを感じたときも一人で抱え込まず、相談してみるなど、人に頼ることも大切です。

 また、「駄目な自分にうんざりする」ことでストレスになる人もいます。駄目な自分やできない自分というのは、「成功に向かっている成長段階」ではないでしょうか。
 現在できていない「点」だけを見つめるのではなく、今はできていないが成功に向かっているという「線」で見つめていきましょう。
 できないことを「成長」と考え、できない「教訓」を大切にすることです。

 このようなことを心がけてストレスをためないようにしましょう。