2022.11.23 17:00
家族の絆づくり 245
「数字」で考える能力
ナビゲーター:阿部 美樹
数字に強い人? 数字に弱い人?
「数字に強い人」「数字に弱い人」という言葉を聞いたことがあると思います。
これは、「数学が得意だ」という学校の成績のことでもなく、「数学が好きだ」という好みの話でもありません。
この言葉の意味は、「数字で考える」ことや「数値化して表現する」など、「客観的な表現力が高い人」のことを指しています。
数字は物事を客観視して正しく理解する大切なツールです。上手に使えば、表現力も高まり、人生もクリエーティブになることでしょう。
例えば、「かなり速い」といっても、それだけではなぜ速いと言えるのかは分かりません。
「この仕事は、100人の従業員のほとんどが1週間はかかるのに、Aさんは1日で終えました。仕事がかなり速い人です」と言えば、客観的であると同時に具体的で理解しやすくなります。
また、「とても良い」という表現よりも、「目標に対して昨年は70%の達成率でしたが、今年は95%の達成率なので、とても良い」と表現した方が、正確に伝わります。
主観的な言葉より客観的な数字!
このように、「かなり」や「とても」という言葉は、主観的であいまいな言葉であり、客観性がありません。物事を表現するときは、可能な限り「数字」を入れた方が理解できるし、聞き手に対しても具体的に伝わり、説得力も高まります。
今後の計画においても、「近いうちに良い結果を残したい」という表現よりも、「半年後には20%増で、1年後には50%増の結果を出せるようにします」と表現した方が明確であると同時に、結果も出やすくなります。
また、目に見えない心の世界も数値化すると把握しやすい場合もあります。
例えば、「現在の仕事に対する充実度を10段階評価にしたら何段階ですか?」と尋ねたとしましょう。すると、「5段階です」と答えました。
さらに、「5段階の充実度をさらに1段階引き上げるためには、何があったら良いでしょうか?」という質問をすると、不思議にも具体的なアイデアが湧いてくることがあります。
常に「数字で考える」習慣を付けてみましょう。