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勝共思想入門 14

 アプリで読む光言社書籍シリーズとして「勝共思想入門」を毎週木曜日配信(予定)でお届けします。
 同書は、40日研修教材シリーズの一つとして、1990年に発行されました。(一部、編集部が加筆・修正)

光言社・刊

第四章 人間であること

 これは共産主義思想の特徴がよく表れているテーマです。いわゆる人間観について、ということです。

一 理性的人間観

(一)近世の考え方
 近世というのは、ルネッサンスを一つの区切りとする、それ以後の時代をいっています。

 近世に入ってからの人間に対する考え方の変化は、自己自身を強く自覚し始めたということに尽きるといえます。親の言いなりに生活し、社会の習慣のままに生活していた子供が、自分自身の求めるところは何か、自分自身の良心は何を自分に命令するかに気づき、それを明らかにしようと努力し、それに従って生きようとし始める、そんな姿に似ているといえます。

 近世の初めからその主流となったのは「理性的人間観」でした。これは、人間が人間であって、他の動物や植物でないのは理性があるからである、という考え方です。言葉を換えていえば、人間の本質が理性であるということです。ここで理性というのは、考える能力のことをいいます。

 さらに人間の特徴、本質は、「概念」を使って考える能力をもっていること、といえましょう。この「概念」を作り出し、それを使えるというのが人間なのです。

 私たちは犬に「クロ」とか「タロー」とか、それぞれ名前をつけて飼っています。しかし、自分が飼っている「タロー」でなくても、それを見て「犬」であると分かります。これは、私たちは既に「犬」という「概念」を自然に作り用いているからといえるのです。

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 次回は、「理性的人間観」をお届けします。

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