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「性解放理論」を超えて(61)

ポスト構造主義とフェミニズム

 「統一思想」すなわち「神主義」「頭翼思想」によって生きるのか、神の言(ことば)を否定する思想を選択するのか…。
 「『性解放理論』を超えて」を毎週月曜日(予定)にお届けします。

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大谷明史・著

(光言社・刊『「性解放理論」を超えて』より)

六 フェミニズムを超えて
(一)ポスト構造主義とフェミニズム

 ポスト構造主義がフェミニズム思想家に大きな影響を与えています。フーコーによれば、性は歴史的、社会的、文化的に構築されたものであり、本質的な性のアイデンティティはあり得ないのです。デリダによれば、言語は絶えずかき乱されているのであるから、性のアイデンティティもかき乱されているのです。そしてラカンによれば、性は言語によってつくられたものであり、本来、性的関係などはなく、女というものは存在しないとまで言います。

 このようなポスト構造主義がフェミニズムの思想的なバックグラウンドとなったのです。特にポストモダン・フェミニズムと呼ばれるフランス・フェミニズムがアメリカをはじめ、世界に大きな衝撃を与えることになりました。

▲ポストモダン・フェミニズムとその土台となっている思想

 すでに述べたように、ポスト構造主義はマルクス主義、ダーウィニズム、フロイト主義を土台として成立したものでした。そしてポストモダン・フェミニズムはさらにポスト構造主義を土台にして成立しているのです。したがって、マルクス主義、ダーウィニズム、フロイト主義が間違いであることが明らかにされれば、ポスト構造主義も、ポストモダン・フェミニズムも崩れざるを得ないのです。ポストモダン・フェミニズムとその土台となっている思想を上の図に示します。

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 次回は、「ポストモダン・フェミニズム~①クリステヴァ」をお届けします。


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