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勝共思想入門 12

 アプリで読む光言社書籍シリーズとして「勝共思想入門」を毎週木曜日配信(予定)でお届けします。
 同書は、40日研修教材シリーズの一つとして、1990年に発行されました。(一部、編集部が加筆・修正)

光言社・刊

第三章 宗教の発生とその役割について

三 マルクスの宗教抹殺論

 このようなマルクスの考えが行き着く結論は当然、次のようなものになります。つまり、自分を苦しめている目に見えない大きな力がいったい何なのかを知ればよい、その正体を正しく理解すれば、神を信仰しなくても済むというのです。そしてマルクスは、この外部の力の正体を暴いてみせるのです。

 すなわち失業者を苦しめている外部の力というのは、人間全体の幸福に役立てるために人間がつくり出したはずの富が、材料や機械器具が、ある個人や一部の人たちの手にあって、その利益のために用いられ、人間社会本来の在り方がゆがめられて多くの人間を苦しめるもととなってしまっていることなのだというのです。つまり私有財産制の上に成り立つ資本主義社会という経済の仕組みがこの外部の力の源であったというのです。すると神への信仰を勧めることはたとえ善意から出たものであったにせよ、かえって苦しんでいる人々がこの現実を圧迫し苦しめている力の正体を理解することを妨げることになり、現実の世界の変革によって理想社会をつくり出そうとする努力を阻止してしまうことになる。結局、現在の体制を維持したい人たち(資本家)に奉仕することになってしまうということになる。つまり神への信仰は悪い行為だというのです。このようにして宗教無用論、抹殺論が生ずるのです。

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 次回は、「勝共思想の立場」をお届けします。

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