2022.11.14 17:00
ファミリーサポートコーチング講座
「ファミリーサポート(FS)コーチング講座」は、文字どおり、より良い家族関係や人間関係を実現するために読者の皆さまをサポートするコーチング講座です。
毎週月曜日配信予定です。皆さまの家庭生活、信仰生活、社会生活にぜひお役立てください。
第94回 コーチングにおける「相対物」と「対立物」の捉え方について
ナビゲーター:西森 響
監修:阿部 美樹(伝道教育局)
今回は、コーチングにおける「相対物」と「対立物」の捉え方についてお伝えします。
【統一思想より】
『新版 統一思想要綱』(84~85ページ)では、「主体と対象の原理的関係は目的を中心とした相対的関係であるために、調和的であり、相衝(そうしょう)的ではない」と説明されています。
つまり、二つの要素または二つの個体の関係が調和的であるとき、この二つの要素または個体を、統一思想では「相対物」といい、その関係が相衝的(ぶつかる関係)であるときはこの二つの要素または個体を「対立物」といいます。
相対物の間には発展がなされますが、対立物の間には相衝と闘争があって、発展が停止するか、または破綻を来すのです。
特に共産主義は、矛盾の理論や対立物の理論である唯物弁証法によって、政治、経済、社会、文化を変革しようとしたために、結局収拾のつかない破綻を来してしまっていると考えられます。
この内容から、本来の関係性は相対的関係であることが分かります。そのような関係ができて良い授受作用をすることにより、調和や発展がなされることを誰もが望みます。しかし、生活の中では対立的関係(対立物)になることも少なくはありません。
【関係性を決めるのは「自分」】
ここで大切なことは、相手(事柄や現象を含む)との関係性を決めるのは自分自身だということです。つまり、自分の意思や考えで相手を「相対物」とも「対立物」とも捉えることができることになり、ここでは相手がどう捉えるかは大きな問題とはならないというのです。
相手を対立物と見てしまうと、たとえ相手がこちらを相対物と見ていたとしても、脳は自分との違いや相手の間違い、さらにはうまくいかない理由を探し始め、時間の経過と共にその関係性は難しくなってしまいます。
逆に、相手を相対物と見たときには、相手がこちらを対立物と見ていたとしても、脳が自分との共通点や相手の良いところを探し始めます。私の中で相対基準が造成され、授受作用が始まり、時間と共にその関係性は改善されるというのです。
例えば、あるプロジェクトの会議を進行する上で、情熱的に推進しようとする意見と慎重な意見とが出たとします。
ここで推進派が慎重派を「対立物」と見ればどこまでも平行線でその距離は縮まりません。けれども、推進派が慎重派の提示した課題を真摯(しんし)に受け止め「より発展するために貴重な提案」と「相対物」と見たならば、提示された課題に対する対策を取りながら情熱的にプロジェクトを推進していくという方向性を出すことができ、時間の経過と共にさらなる改善と発展が期待されることになります。
【「対立物」から「相対物」に変化する】
クライアントが相手(事柄や現象)との関係を対立物と感じて葛藤や不安があり、それを改善したいと思っている場合、セッションでは陽陰の統合やポジションチェンジなどのスキルを用います。
セッションすることで、クライアント自身が相手を相対物と受け止めやすくなります。すると相手に良い波動が伝わるようになり、時間と共に良い授受作用ができるようになるのでさらなる改善と発展を経験することにつながります。
例えば、陰の感情である「不安」が現れたとします。不安を対立物としてなくそうとしてもなくなりません。
ただ、「不安」にも肯定的な存在意味があると捉えて、その陰の感情の意味と価値に気付くと、その「不安」は小さくなったり、あっても良いと受け止められるようになったりします。
このようにして相手との関係性や自分の中の陰の感情を相対物として受け止められる私自身となることができます。また「そのようなことがあったから、さらなる成長ができた」とも考えることができます。
このようにして、主人意識を持った天一国主人として自らの人生を本性が願う方向に向かって歩んで行くことが可能だと考えます。
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次回は、認定コーチになった60代男性の感想をお届けします。
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