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新 堕落性の構造 53

 現代人に不幸を招来する「心のゆがみ」。そんな悩みの尽きないテーマをズバッと解説! 人間堕落の根源からその原因を究明している一冊です。毎週木曜日配信(予定)でお届けします。

阿部 正寿・著

(光言社・刊『こう解ける! 人生問題~新 堕落性の構造』より)

15. 妻を虐待する夫の背後は堕落天使長

◉暴力夫の正体は天使長
 私はこのような悲惨な妻たちの訴えを聞くたびに、暴力を振るう夫に激しい怒りを禁じ得ません。いったいどうしたら、このような生き地獄は解決できるのでしょうか。そのためには、このような事態を引き起こしている原因を知らなければなりません。それは、聖書に記録された人間の堕落にまでさかのぼらなければなりません。

 聖書の創世記によれば、主なる神がアダムとエバに、善悪を知る木の実を取って食べてはいけないと命じました。しかし蛇(天使長)は、「あなたがたは決して死ぬことはないでしょう。それを食べると、あなたがたの目が開け、神のように善悪を知る者となることを、神は知っておられるのです」(創世記三・四〜六)とエバを誘惑したのです。

 アダムとエバはこのようにして天使長によって堕落させられ、彼の支配下に属するようになったのです。天使長が初めにエバを堕落させたのは、自分の寂しさを紛らわせ、欲望を満たすためで、決して愛のためではなかったのです。そのためにエバをだまして支配下に置いたのです。この堕落天使長の性質は、堕落人間に血統的に引き継がれてきました。

 妻に暴力を振るう夫の正体は、実にこの天使長なのです。天使長は自己の欲望を満たすためには、エバをだましたり、哀願したり、それでも効き目がなければ暴力を振るうのです。問題は、妻が夫の正体を見抜けずに、唯々諾々と支配されていることです。

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 次回は、「解決に同情は禁物」をお届けします。


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