家族の絆づくり 242
「伝える力」を磨く

ナビゲーター:阿部 美樹

「伝えた」のに「聞いていない」すれ違い
 話し方には人それぞれ特徴があります。その良しあしを判断することは難しいものです。
 しかし話は相手に伝わらなければ意味がありません。「伝える力」のある人こそ「話し上手な人」といえます。

 家庭でも職場でも、「伝えた」という認識と「聞いていない」という認識の違いが大きなトラブルにつながることもあります。
 伝える力は意識すれば誰でも伸ばすことができますし、磨くことができます。
 そのポイントを紹介します。

 第1のポイントは、「一文を短く話すこと」です。
 話の中に、「ですが」「だから」「したので」「なので」などの表現があると、文章が長くなり、話が分かりにくくなります。

 長くなると主語と述語が不明確になり、厳密に文字に起こしてみると意味不明の内容になりやすいものです。

 早め早めにマル(句点)を付けるように短く切って話す方が分かりやすく、テンポよく簡潔に伝わるようになります。


「何を」「どのように」伝えるか?
 第2のポイントは、「間を置いて話すこと」です。
 話し手が間を置くことで、聞き手は話の内容をよく理解しながら次の話に備えることができます。

 テンポよく話をしても、大切なことを伝えるときなどには、ゆっくりと間を置くことが有効です。聞き手が注目しやすくなりますし、話し手の言いたいことを強調する効果も得られます。

 頭の回転の速い知的な人の中には、早口で話すのを好む人がいますが、基本的にはゆっくりと話した方が伝わりやすいものです。

 第3のポイントは、「伝えたい情報は一つに絞ること」です。
 知っているが故にたくさんのことを話したがる人がいますが、相手がそれを聞きたいとは限りません。

 セールスの世界でも、いろんな話をするセールスマンがいい結果を出すとは限りません。それよりも相手が聞きたいことを丁寧に教えてくれる人こそ信頼される人になります。

 相手の要求や関心度に合わせる姿勢を大切にして、情報を一つに絞って丁寧に伝える力を磨いていきましょう。