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中和新聞セレクト Vol.6
家庭理想の実現

 毎週2回(火、金)、さまざまなコンテンツを配信している『中和新聞』。Blessed Life編集部が同記事のアーカイブスからおすすめのコンテンツをセレクトして皆さまに紹介します!
 第6弾は「家庭理想の実現」(家庭教育局)のシリーズを毎週水曜日(予定)にお届けします。
 同コンテンツは『中和新聞』20174月から連載中のシリーズです。

10回 四大愛を実践し家庭力を磨こう

(中和新聞 2021年2月16日 通巻1334号より)

 家庭の中で私たちが体恤すべき「神の愛」は、子女の愛、兄弟姉妹の愛、夫婦の愛、父母の愛の「四大愛」として顕現します。家庭で四大愛を育むための基本的な考え方や姿勢について考えます。(詳細は『祝福家庭』92号(2019年春季号)スペシャルをご参照ください。文責・編集部)

「神の愛」を呼吸して永生する
 「家庭力」について考えるに当たり、「永生」という観点から人生の目標を見詰めてみます。

 私たちが地上生活を終えて天上の霊界に行くと、「神の愛」を呼吸しながら永生するようになります。神の愛は四大愛(子女の愛、兄弟姉妹の愛、夫婦の愛、父母の愛)として顕現し、私たちは地上生活(家庭)でそれらを体恤する必要があります。「親子・夫婦・兄弟姉妹」の関係を通して四大愛を育み、「四大心情圏」を体恤して「神の似姿」になっていくのです。

 「家庭力」とは、この四大愛と「祖父母の愛」を育むための環境をつくる力のことです。

■「相手が美を返したくなる私」になる
 家庭は「結婚」から始まります。一般社会では現在、結婚した人のうち9割が恋愛結婚と言われ、“好きでもない人との結婚は考えられない”という人が世の中の多数を占めます。

 ところが、互いに好きになって結婚したにもかかわらず、“不倫あり、虐待あり、家庭内別居あり”というのが現実です。「カプセル家族」という言葉があるように、夫婦、家族が別々の部屋で休み、各自がバラバラに過ごすのです。

 日本では結婚したカップルの3分の1が離婚。残りの3分の2も全てがうまくいっているわけではないことは言うまでもありません。

 そのような社会環境で生きる子供たち(二世、三世)に対して祝福家庭の父母は、「天国に入るために」との大義名分のもと、“好きでもない人との結婚”となりうる祝福結婚を勧めます。

 子供たちの多くは“それで幸せになれるのか?”と葛藤し、両親を見て祝福結婚が良いか悪いかを判断しようとします。父母が「お父さんとお母さんは仲が悪いけど、祝福の価値はすごいのよ」と言っても通じません。

 それでは、子供たちに祝福結婚の価値を理解してもらうにはどうすればよいのでしょうか。

 一般社会における具体的な数字を挙げます。世界62か国の夫婦を40年間、追跡調査したデータによると、世界的に“結婚4年目”の離婚が最も多く、24歳までに結婚した人の離婚率は6割に上ります。好きな者同士の結婚にもかかわらずです。一方、祝福家庭の離婚率は2%未満です。

 祝福二世、三世に「『恋愛』と『愛』は違う!」ということを教えなければなりません。互いに「授け合う関係」でない限り、「愛」は育ちません。愛とは“相手が何を欲しているか”を考え、応えてあげるものです。

 「愛しているのに相手が理解してくれない」といった悩みを聞きますが、その多くは、自分が「愛だ」と思っているだけで、相手の気持ちを無視した“愛の押し売り”になっているのです。

 正しく愛を投入し、「相手が美を返したくなる私」になることが大切です。愛の力は「授受作用によって生じる」ので、夫婦や親子、嫁姑などの関係の中で努力してこそ愛が深まります。

 愛は「育てていくもの」です。祝福結婚は「スタート」であり、ゴールは「愛の完成」です。子供たちは常に両親を見ており、“両親の夫婦愛がより深まっていく姿”に感動します。子供が「祝福結婚で結ばれた両親は素敵だな。祝福もいいかも」と思えるようになれば最高です。

 子女の祝福のもう一つのポイントは、「子女の愛がどのくらい育まれたか」です。「親の喜ぶことがうれしい」と感じる子になったか、「親の願いに応えよう」とする「孝情」が育ったのか…。

 親は、早起きして弁当を作り、子供が病気のときは夜も寝ないで看病して投入しますが、それを「愛だ」と認定するのは子供の側です。そのように認められた愛を土台として、子供は親の願う祝福結婚に臨むのです。

■「オンリーユー」の世界で育む夫婦の愛
 家庭は四大愛完成のための環境であり、その核心は「夫婦」です。夫婦の愛は、子女の愛、兄弟姉妹の愛、父母の愛とは違う面があります。

 万民を愛すべきだと言って、“隣の家のご主人(奥さん)をわが夫(妻)のように”愛すれば不倫となって問題が生じます。つまり、夫婦だけが「オンリーユー(あなただけ)」という愛の世界を追求できるのです。

 一方、隣に住む親世代の人に「自分の親のように」尽くし、隣近所の子供たちを「わが子のように」慈しめば、大歓迎されます。

 「ために生きる」という価値観は、このようにして個人から家庭、氏族、民族、国家へと広がっていきます。

■「神の似姿」となるために
 子供が父と母から愛されたとしても、その夫婦が一つになっていなければ子供の心は満たされません。母親が子供から何か相談されたら、「お父さんに相談しておくね」と言って、“お母さんの後ろにお父さんがいる”とのメッセージを子供に伝えましょう。子供は、母親の背後に父親の存在を感じてこそ安心できるのです。

 「神は自分のかたちに人を創造された。すなわち、神のかたちに創造し、男と女とに創造された」(創世記127)。男性と女性が一つにならないと「神の似姿」になることはできません。子供たちは両親の中に“神様の似姿を見よう”としますが、「父親だけ、母親だけ」では神様の半分しか分からないのです。

 「神の似姿」になることが人間の究極の願望であり、そのための結婚です。結婚し、生涯をかけて四大愛を完成させていくことで神の似姿となりましょう。神様を中心とした価値観のもとで家庭を築こうとする姿勢がある家庭が、「家庭力の強い家庭」と言えるのです。

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 次回は、「祈りこそ最も威力あるもの①」をお届けします。

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