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新 堕落性の構造 51

 現代人に不幸を招来する「心のゆがみ」。そんな悩みの尽きないテーマをズバッと解説! 人間堕落の根源からその原因を究明している一冊です。毎週木曜日配信(予定)でお届けします。

阿部 正寿・著

(光言社・刊『こう解ける! 人生問題~新 堕落性の構造』より)

15. 妻を虐待する夫の背後は堕落天使長

◉30年間夫に殴られた妻
 1995年16日『日経新聞』の社会面の記事。「いらだつ列島」。

30年間、夫に殴られ続けた女性がいる。
 首都圏に住むAさん(58)は結婚して初めての夜に『なぜ父の背中を流さなかった。気がきかない』と殴られて以来、夫の暴力にさらされてきた。

 数カ月続いた恋愛期間中、会社員の夫が手を上げたことは一度としてなかった。外で暴力を振るうこともない。両親の反対を押しきって結婚したAさんは、実家に訴えることもできなかった。

 耐えかねて家を飛び出した時、夫は包丁を持って追いかけてきた。腕を切られたAさんは警察に通報したが、『子供の父親を犯罪者にするのか』と言われ、告訴を思いとどまった。夫は『二度と暴力を振るわない』と誓い、わび状を書いた。しかし約束は1カ月と続かなかった。

 …………

 日弁連が昨年4月に実施した電話相談の集計では、暴力を振るう夫の大部分はきちんとした職業を持ち、『外ではまじめを絵に描いたような人。虐待されていることなど信じてもらえない』といった訴えが目立った。報告書の編集に当たった平山知子弁護士は『妻への暴力がストレス、不満のはけ口になっている。夫の妻に対する甘えや精神的な未熟さを感じる』と指摘する」

 いささか長い引用になりましたが、これは正に氷山の一角なのです。このようなケースが実に何百万とあるのです。アメリカの週刊誌『タイム』の報道によると、1994年中にアメリカで300万の妻たちが夫の暴力を受けたことが明らかにされましたが、これは表に出た分だけです。

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 次回は、「妻を奴隷視する夫」をお届けします。


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