家族の絆づくり 240
「父母の心情、僕の体」のリーダーシップ

ナビゲーター:阿部 美樹

「僕のリーダー」とは?
 真の父母様(文鮮明〈ムン・ソンミョン〉・韓鶴子〈ハン・ハクチャ〉総裁夫妻)の立てられた生活信条の中に、「父母の心情、僕(しもべ)の体」というものがあります。

 「家庭盟誓」が発表される前の時代の宣誓文である「私の誓い」でも、「怨讐(おんしゅう)によって失われた子女と天宙を復帰せんがため、父は父母の心情を抱かれ僕の体を受肉し給い、汗は地のために、涙は人類のために、血は天のために流される」という表現があります。

 三大主体思想の「真の主人」や「真の師」、さらには「真の親」になるためにも、「父母の心情、僕の体」の姿勢が大切だということです。
 心情はどこまでも父母の愛であり、行動は僕のように「仕える人」「奉仕する人」「尽くす人」になるということです。

 この言葉と似た表現として、「サーバントリーダーシップ」という言葉があります。
 「サーバント」とは、一般的には「従う者」「召使い」という意味ですが、「尽くす人」「奉仕する人」と捉えます。

 従来のリーダー像は、組織の上に立って指示・命令してメンバーを引っ張っていく指導者です。しかし、サーバントリーダーシップはそれとは違って部下に対して奉仕し、部下を支援するコーチング型のリーダーシップです。

 イエス・キリストも「仕えられるためではなく、仕えるために来た」という表現をしながら、弟子の足を洗う姿勢を見せました。
 それと同じように、謙虚に仕えるリーダー、部下に奉仕するリーダー、部下の成長と成功のために支援するリーダーになることです。そうすれば、「やらされる」という動機ではなく、自らが自主性・主体性を持って喜んでやろうという姿勢となることでしょう。


リーダーにとって大切な二つのこと
 では、このようなリーダーシップを実践するために大切なことは何でしょうか。

 第1は、リーダーが理想の姿、あるべき姿、なりたい姿であるビジョンを「トップダウン」で部下と共有し、徹底することです。リーダーとはビジョンを意識して全体が共有できるように導く存在なのです。

 第2は、一人一人が組織の主人公ですから、各自の意見を上に吸い上げる「ボトムアップ」が徹底されていることです。
 下から上に言いたいことが言えない雰囲気があれば、意思疎通はうまくいきません。
 何でも言えるという風通しの良い文化づくりが必要です。そのためには、耳の痛いことも聞くという、リーダーの姿勢が必要です。

 これは会社などの組織だけではなく親子関係でも同じことが言えるでしょう。耳の痛い話でもしっかりと聞く親を目指していきましょう。