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43とも倶楽部誕生物語 2
お互いの心を開き、信頼の絆を深める43とも倶楽部

櫻井 晴信

 今話題のユニークな読書会、「43とも倶楽部」。本シリーズでは、「43とも倶楽部」がどのようにしてつくられてきたのか、その誕生の物語をお届けします。

 私は結婚して今年で34年になります。3人の息子と1人の娘に恵まれました。
 夫婦げんかは時々しますが、会話がなくなるほどではありません。しかし43とも倶楽部を始めてからお互いがずいぶん変わりました。

 私と妻の性格はだいぶ違います。私は考えがまとまってから行動する理性派、妻は行動しながら考える情熱派です。
 私は、行動を起こすには、今やっていることを片付けて、リセットしないと気持ちが悪いのですが、妻は思い立ったらすぐ行動します。

 ご飯を食べている時でも、食べかけたまま他のことをやるので、そのまま食事が終わってしまうことがあります。マナー的には良くないと思うのですが、これは母親としての徳でもあると思います。

 特に子供たちに対しては、呼びかけられたら、自分が何をしていても、それを置いてすぐに応えようとします。どんなに具合が悪くて横になっていても、です。
 その姿を見て、自分にはできないなと、脱帽しました。

 そんなわけですから、なかなかリズムが合いません。日常生活では困らないのですが、キチンと向き合って話すことは、お互い避けてきたところがあります。

 そんな時、43とも倶楽部を始めると、キチンと向き合って相手の感想を聞き、その中で良い所を見つけて褒めなくてはなりません。

 最初はわざとらしくぎこちないのですが、今まで気付かなかった良い所が見えてきたり、私のことも褒めてくれたりするので、お互いの心が開き、信頼の絆が深くなってきました。

 「おはよう」「おやすみ」のあいさつはしていましたが、出かける時、玄関まで行って見送ることはしていませんでした。それが今では自然にできるようになりました。
 だからと言って、最初からそれを狙って43とも倶楽部を開発したわけではありません。

 これから、この読書会を作るに至った物語をひもといていきたいと思います。(続く)