2022.09.30 22:00
【テキスト版】
ほぼ5分でわかる人生相談Q&A
幸せな人生の極意!
第106回 仕事の目標を与えられると苦しくなります
ナビゲーター:阿部美樹
皆さん、こんにちは!
今回は、「仕事の目標を与えられると苦しくなります。どのように捉えたらよいでしょうか?」という質問に対してお答えいたします。
個人においても、会社の組織においても、成長や発展をするためには目標を立てることは有効です。
漠然と作業や活動を行うよりも、明確な目標を立てて取り組んだ方が、能力が発揮されて結果が現れるものです。
スポーツ選手は常に、目指す目標を立てて努力します。
「目標を立てる」ことは大切なことです。明確な目標を立てた方が能力を発揮して結果が現れやすいからです。
企業でも同じことが言えます。
しかし目標を立てることで苦しくなってしまう場合、目標がノルマのように感じられたり、プレッシャーになったりすることで、ストレスを感じてしまっているということです。
このような場合、目標の奴隷になってしまい、本来の目標を立てて目指す姿からかけ離れてしまっています。
これは、現状認識や目標認識が組織の責任者とかみ合っていないことが問題です。
また、目標を立てる人の動機が「やらされている」「ねばならない」という義務感になっていることが原因である可能性もあります。
このような人は「目標」だけでなく「目的」を明確にすることが必要です。
目的とは、「その目標は何のために取り組むのか?」「その目標はどんな意味があるのか?」を問うことです。
所属する組織全体にとっての「全体目的」だけでなく、個人にとってもどうなのかという「個体目的」を明確にすることです。
このように、目的(意味、価値)を明確にすると、取り組もうとする人に主体的な動機が付与されます。
「全体にとっても必要だ」「個人にとっても価値がある」と納得できると主体的な動機が築かれ、全体の雰囲気に流されていた人も、ギアがしっかり入った車のように、力強さを取り戻すことができることでしょう。
さて、目的と目標はどんな違いがあり、どのような関係性にあるのでしょうか。
目的とは目指すゴール・終点であり、最終的に目指す姿です。
一方、目標とは字のごとく、ゴールに向かう目印、通過点の状態と言えます。
また、目的とは何のために行うかという「抽象的な意味」であり、目標は目的を実現するための数値などで表せる「具体的な手段」です。
例えば、「会社を起業して年商10億円にする」という目標を掲げたとしましょう。
この目標とともに、「何のために?」「何を得るために?」という目的が大切になります。
それに対して、個人が成功して幸せになるだけでなく、「地域の人たちを幸せにするために」「多くの人から『ありがとう』と感謝されるために」という目的が明確になると、事業を推進する力が高まります。
二つがセットになることが理想的です。
しかし、「行う手段」の目標だけを追いかけると、外的な作業や活動に追われて、心が苦しくなることもあります。
その時、目標に向かって「行う意味」(目的)が明確になると「やりがい」を感じ、「生きがい」を持てるようになり、仕事をする人にとって大切な「喜び」を感じることができることでしょう。
このように、何事にも「得たい成果」(目標)と、「得たい感情」(目的)をバランスよく持ちましょう。