2022.10.07 22:00
【テキスト版】
ほぼ5分でわかる人生相談Q&A
幸せな人生の極意!
第107回 祈るとき、どんなことを心がけるべきでしょうか?
ナビゲーター:阿部美樹
皆さん、こんにちは!
今回は、「祈るとき、どんなことを心がけるべきでしょうか?」という質問に対してお答えいたします。
多くの宗教が共通して教えることは「祈りの大切さ」です。
日本では特定の宗教を信仰していなくても、神社や寺院などで、新年の無事と平安を祈願する初詣が習慣化されています。
では、祈りとは何でしょうか。
祈りの種類と、祈ることの意味などについて説明いたします。
祈りとは、神との対話です。
人間のみに与えられた特権であり、人間の成し得る最高の業、人間らしく生きるための核心と言えます。
祈りを通して汚れた心を浄化させ、本来の良心基準を回復し、精神の統一ができるように導きます。
また、さまざまな悩みや課題を乗り越えるとき、掲げた目標や願いを実現するときなどは祈りの精誠が必要です。
精誠とは、誠を尽くし継続することです。
一般的に祈りは、「〇〇してください」「〇〇になりますように」という願い事が多くなる傾向があります。
このような一方的に恵み・御利益を求める祈りは、「僕(しもべ)の祈り」「幼子の祈り」です。
素直に率直な本音を打ち明ける祈りではありますが、その動機は概して「自分」です。
一方、「天から頂いた使命や責任を果たす私になれるようにしてください」「試練を越えることができる私になれるようにしてください」など、自分が責任を果たそう、そのために自分が成長したいと願う祈りは、主人意識を持った成熟した信仰者の祈りだといえます。
さらに神との親子の絆を築くためには、孝情の祈りが大切です。孝情の息子・娘の祈りの動機は、自分ではなく神のためです。
孝情の祈りを実践する場合、具体的には次のような内容になります。
第1は、感謝の祈りです。
良いことに対しては神からの贈り物として感謝し、嫌なことに対しても神の試練・訓練として感謝する祈りです。
第2は、慰労の祈りです。
人間の不幸や争いを見つめる神の悲しみや苦しみを慰める祈りです。
第3は、報告の祈りです。
現状や実践の結果を神に報告し、神と状況を共有する祈りです。
第4は、悔い改めの祈りです。
問題や課題に直面すると、自分以外の相手や環境に原因を見いだそうとする傾向がありますが、そうではなく、自分の事として捉えて、自分が変わり、自分が責任を持とうと受け止める悔い改めの姿勢です。
第5は、とりなしの祈りです。
病気になった人の回復を願って祈ること、困難に直面して苦しんでいる人が乗り越えられるように祈ることなど、周りの人のためにささげるとりなしの祈りです。
第6は、決意の祈りです。
「きょう一日(あるいは一週間、一カ月間)、新たな気持ちで頑張ります」という決意を神様に伝えます。
祈りは神との約束でもあります。神様を信じる精誠を土台に、神が信じる私になることが信仰の目標です。
最後は、喜びの祈りです。
『原理講論』には、「人間を中心とする被造世界が存在する目的は、神を喜ばせることであった」(65ページ)と示されています。
ですから、「私を見て喜んでください!」という祈りができる自分の姿に成長すれば、神が最も喜ばれることでしょう。
人間はもらう幸せより、あげる(与える)幸せの方が大きな喜びを感じるので、喜びを返す方がもっと充実した生き方になります。
このように、「お願いする祈り」だけでなく、「孝情の祈り」を心がけましょう。